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私立月見里学園高等部
A
 ざらざらとした猫特有の舌にその伊近に食まれた首筋を舐められて、でもそれがニイチだからかくすぐったいと感じてもそれ以外は何も感じない。

でも昨日のそれは「嫌だ」と感じた。

 何故だろう?

今までだってじゃれてキスされたり、舐められり、触られたりしてたというのに。

「な?ニイチ。何でだろうな」

「ニャー」

 意味が分からないとニイチ相手にそう問いかけ、同じように首を傾げられてしまう。

そうだよな、俺でさえ分からないんだから猫のお前が分かるわけないよな。

それに・・・。

「他の奴らには怒りしか沸かなかった」

 いや不覚ながらほんの少〜し気持ち良さも感じてしまったのだが、って・・・俺最低だな。

と、とにかく不信感、嫌悪感はもちろんだが、「何やってんだよテメェ!」くらいなもんだった。

なのに。

「伊近が伊近じゃないみたいで・・・」

 怖くて、悲しくて、寂しくて、どうして伊近がそんなことをするのか分からなくて嫌だった。

でも、どうして他の奴らとやってることは同じだったのに、伊近にだけはそんな風に感じてしまったんだろう。

「伊近は・・・伊近は俺のこと・・・」

 ああ、やっぱり分からない。

小さく呟いた台詞は、1人の部屋の中で解けていった。

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あきゅろす。
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