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私立月見里学園高等部
双子
「・・・母さん?」

「ゴメンってば、伊近〜。だってね、新名ってば可愛いから独り占めしたくって」

「やっぱり・・・」

 母さんの親バカは今に始まったことじゃないが、どうやら二人の会話からして彼らは頻繁に連絡を取り合っていたのではないかということが伺える。

何だ、俺だけ仲間はずれか?

いや、父さんも恨みがましそうな目で見ているから知らなかったのかもしれない。

別に今まで知らなかったのだから、いいと言えばいいのだが、兄弟(だと思うけど)がいたなら教えて欲しかった。

そりゃ、一時俺も兄弟という存在に憧れたりしたわけで。

「ごめんね、新名」

 でも、母さんにそう首を傾げて謝れてしまえば許すより他ない。

何だかんだ言って、俺も母さんには弱いのだ。

「いいよ」

 そう、せめても仕方ないなというように告げれば、途端笑顔に戻った母さんにきゃいきゃいと腕を取られる。

なんだかなぁという風に、隣ではしゃぐ母さんから彼へと視線を動かした。

確か、名前は伊近。

ってさっきもその名前聞いたような・・・。

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