私立月見里学園高等部
C
「・・・あ、絶対新名のことだからとんでもねーボケをかますんじゃーねかと・・・拍子抜けした」
同じくなんだか失礼な黒崎の物言いに、何となくやっぱり馬鹿にされてる気がするんだが。
「うっせーぞ黒崎。新名は男前で可愛くて笑うと超色っぽい上に頭もいーんだよ、てめぇと一緒にすんなボケ崎が」
それはやはり伊近も思ったことらしく、言い返してくれるのはいいんだが、余分なもの色々混じってねぇか?
「あぁん!?俺より出席番号後のくせに生意気なこと言ってんじゃーねよ、アホなしが!」
「ハンっ、んなもん手加減してやってるに決まってんだろ?どっかの馬鹿が俺に張り合ってやがるから同じ部屋になんねーようにわーざと手ぇ抜いてやってんだろうが!誰がアホなしだっつーの!」
そしてやっぱりというかまたまた喧嘩をおっ始めた2人に俺は、進まねぇと、とりあえずコイツらを無視して進めてくれるように渡辺に目配せする。
「ん!?何?新名くん光くんと目と目で会話なんてしちゃって〜!僕とも体で話し合おうよ〜!」
しかしそれを運悪く・・・ってずっと見てたな。空に目撃され、また話はややこしくなって・・・。
とりあえず。
「静かにしろ。・・・悪いな、渡辺。話を続けてくれ」
「あ、ああ」
しーんと静まり返った教室に満足した俺は自然と寄っていたらしい眉間の皺を解すと、ぽかんとしてるらしい隣の空に首を傾げる。
まあ、とりあえずみんな黙ったな。
よかっよかった、とぽんぽんと空のその色素の薄い髪を撫でてやれば、何故だか今度はボンッという音がしそうなほど顔を赤くされてしまい、意味が分からん。
「か・・・っこ
「で、渡辺。さっきの、アレでいいのか?」
何か言いたそうな空の言葉を遮ってそう渡辺に尋ねれば些か疲れた様子で、しかし深く頷き返してくれた。
「そう。今みたいに新名が空の頭を撫でたとする。それが気に食わない親衛隊の奴らは空をボッコボコに殴り倒しにくるって訳だ」
「きゃー僕怖〜い」
そして脅しを掛けるような渡辺の言葉に空が腕を絡ませてきて・・・ってんな大げさな。
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