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私立月見里学園高等部
B
 そんな渡辺の説明が終わったのは既に1限終了の10分前だった。

説明をかいつまんで言えばまあ、親衛隊はその好きになった奴?に一方的な好意を寄せていて、んでもってそいつに近付いた奴(親衛隊に入ってない)に制裁を与えてまわるといった存在らしい。

他にも親衛隊内の約束事についても教えられたが、理解不能な言葉が多過ぎだ。

「・・・というわけだ。分かったか?」

 渡辺の問いかけにはとりあえずといった形で頷いておく。

だが、訝しむような視線を向けられてしまい、何となく居心地が悪い。

う・・・そりゃ折角事細かに説明してくれた割にあんまり理解できてねぇけど。

「じゃあ新名にその親衛隊が出来たってことはどういうことが懸念されるか言ってみろ」

 ずずいっと顔を近付けてそう尋ねてくる渡辺に、いやそれは俺の方が疑問に思っていたことじゃねぇのか?と思う。

伊近達が反対している原因が分からず、こうやって教えてもらったわけで・・・ってああ。

 なら、と板書をメモしたルーズリーフを読み返し出した俺に、何故だかクラスメイトからの緊張したような視線が。

なんかプレッシャーかけられてんな。

んなことしなくても俺さっき説明(すっごい端折って)ちゃんとまとめたからな。

「・・・俺に近付いた奴に制裁を与えてまわるってことか?」

「もう、新名ちゃんまたんなボケかまして〜!・・・って当っとる。んな新名ちゃん聡い子やったん!?」

 意外とすんなり出た答えに、空から避難?する為に自分の席に戻っていた秦名からノリ突っ込みらしきものが入る。

って何となく馬鹿にされた気がするんだが、気のせいか?

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あきゅろす。
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