私立月見里学園高等部
久々愉快な仲間達
笑顔で手を振って去っていった3人はやってきた教師に諌められながら隣の教室に・・・ってそうだ!
俺達も何もただぶらぶらと廊下を歩いていたわけじゃない。
「新〜名〜?とその愉快な仲間達。俺様のSHR(ショートホームルーム)に遅れるなんざ良い度胸してんじゃねぇか」
未だ絨毯張りの廊下にいた俺達は、どうやらあのちびっ子3人に絡まれている間にSHR開始のチャイムを聞き逃してしまったらしい。
そもそも寮から連休明け最初の授業を受けるため教室に向かっていたというのに・・・。
しかし、加賀美も加賀美だ。
普段遅刻の常習犯で、始業ぎりぎりに現れては「今日も俺の迷惑になるようなことはすんなよ」とだけ言ってSHRもあったもんじゃねぇってのに。
「あ?新名。何か言ったか?」
「い、いえ・・・」
って俺今何も言ってねぇよな!?
もしかして加賀美も龍之介に引き続きエスパー説が・・・いやいや、アイツはただの偶然だったな。(※第1章参照)
しかし、加賀美ならやりかねねぇ・・・。
「お前、今とんでもないこと考えてんだろ。ったく」
そんな俺の脳内がやはり読まれていたのか、加賀美は呆れたようにそう呟くと、がしがしと俺の頭を撫で、教室に入るよう促してくれる。
それに他の3人も続こうとして・・・。
「あぁ?てめーらは入っていいって言ってねぇだろ」
それはドアの横の柱に付いた加賀美の手によって妨害されてしまった。
「うっせー、鏡也。俺と新名は一心同体なんだから当たり前だろ」
「鏡也センセーの横暴〜」
それに歯向かう伊近と智希。
「おい、加賀美。SHRすんならとっとと始めろよ」
と、悠々と後ろのドアから回ってきたらしい黒崎。
む・・・さり気なく後ろから腰を抱くのは止めてくれないだろうか。
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