私立月見里学園高等部
A
「「「に、新名くんっ!」」」
懸命に引き攣ったような顔で笑みを浮かべた彼らには見覚えがなく、首を傾げてしまう。
そんな俺にぱぁああっと表情を明るくした3人は、さっきまで震えていたのが嘘のようにその2人を押しのけて俺に近付いてきた。
「あの!俺達新名くんに・・・っ!」
「ぼ、僕たち・・・その」
「お願いが・・・ひぃっ!」
「「「伊近様!?」」」
真っ赤な顔で代わる代わる話しかけてくる3人に、俺は目を白黒させてしまう。
だ、誰の話を聞けばいいんだ!?
しかしそれは俺に張り付いた伊近の一睨みによってぴたっと止み、ほっと一息・・・。
ってやっぱり伊近に“様”付けってすっげぇ違和感あるんだが。
俺からは表情が見えないが、彼らを睨みつける伊近の顔は想像通りだろう。
そんな伊近を後ろに引っ込めると、俺は3人に視線を巡らせた。
「えーっと?」
誰か知らないが何か大事な用らしいし、放っておくわけにはいかない。
話を続けるように声を掛ければ、ピシッと姿勢を正した3人がまた一斉に口を開いた。
「「「僕達に新名くんの親衛隊を作ることを許可して下さ〜いっ!!!」」」
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