私立月見里学園高等部
ニイチ
なるほど。
これは俺にも彼の考えていることが理解できた。
「ニイナとイチカで”ニイチ”な」
やっぱり。
意外と単純な理由におかしくなって笑うと、何故だかバッと顔を逸らされてしまう。
なんだ?恥ずかしかったのだろうか。
俺はいいと思ったけど。
なあ…?
「…ニイチ」
確認を取るように猫…じゃない。ニイチの名前を呼ぶと、満足したような声が上がる。
うんうん、コイツも気に入ったみたいだな。
「ありがとう」
ニイチの分もと、感謝の言葉を口に出すと、何だかとても気持ちがいい。
それに彼が相手だと会話(とは呼べないかもしれないが)スムーズで、楽しい。
不良に絡まれたのは不運だったが、こうやってニイチにも出会えたし、イチカにも会えて、気分の良いまま俺は帰路についた。
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