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私立月見里学園高等部
C
 後ろからの殺気に慌てて優羽さんから離れると、しかし特に気にした様子もなく優しい笑顔でニイチを俺に抱かせてくれる。

俺の腕に戻ったニイチはそ知らぬ顔で欠伸なんぞしていて、暢気なもんだ。

俺がこんなに心配したっていうのに。(まあ途中なんで走ってるのか忘れてたけどな・・・)

「新名様はニイチのことがよっぽどお好きなんですね。お前もこんなにご主人に可愛がってもらえてよかったな」

 いつもはキリリっとしている優羽さんさんだが、ニイチを見る目はすごく優しい。

そんな優羽さんの言葉に照れて笑うと、同じように俺の頭も撫でられてしまった。

むむ。恥ずかしい・・・。

「あ・・・申し訳ありません、つい」

「・・・いえ、でもやっぱりその様付けはどうにかならないですか?」

 それが表情に出ていたのか、すぐに優羽さんの手は離れていってしまう。

別に恥ずかしいだけであって嫌じゃなかったのにな。

むしろその呼び方のほうが気になってしまう。

何度も優羽さんに言っているのだが、どうも難しいらしい。

「俺のほうが年下だから呼び捨てでいいのに」

「でもそういうわけには・・・」

「・・・コホンッ!」

 恐縮する優羽さんと俺の間に割り込んできたのは父さんと伊近で、何だか不機嫌そうな顔だ。

「優ー羽?」

「優羽!」

何だ?2人ともそんな低い声で優羽さんのこと呼んで。

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