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私立月見里学園高等部
B
「むっ・・・!新名が無闇に笑ったりするからやっぱりファンが付いちまったじゃねぇか!ああっ!だから俺があれだけ人前で笑うなって言ったろ!?」

 どうやらそれは聞き間違えではないらしく、イライラした様子の伊近にそう言われてしまうが俺は悪くないぞ!?

そもそもお前は“笑うな”とだけしか言わなかったじゃねぇか!

たかが笑顔1つで男にキャーキャー言われるようになるとは誰が予想できるだろうか。

「15年も笑えなかったんだぞ!?その分むしろ余分に笑っても罰は当たねぇ・・・っ!」

 頭ごなしに怒鳴られたせいか、こちらもケンカ腰で返せば同じ境遇の伊近は唸った後黙り込んでしまう。

「うう・・・でも!新名の笑顔は本当やばいんだって!何ていうかこう笑いかけられるとドキドキするっていうかもやもや、いやムラムラ?・・・あイテっ!」

しかし、先に続いた言葉に思わず手が出てしまった。

何を言うかお前は!実の双子の弟に向かって・・・。

「本当のこと言っ・・・

「キャー!2人揃って月見里のお屋敷に帰るの!?」

「俺も一緒に連れってよ〜」

「近くで見てもやっぱりカッコいい!」

「キャv新名くんに見つめられちゃった♪」

「その猫新名くんのなの?」

・・・チッ。新名、行くぞ」

 話を途中でさえぎられた伊近は不機嫌なままそう低い声で告げると俺の手を引いて歩きだそうとするが、俺たちを取り囲んだ彼らも黙っちゃいない。

「やっぱり2人って付き合ってるの〜!?」

「いやー!・・・でもどっちも美形v」

「義兄弟で恋人同士ってなんかやらしい雰囲気がして素敵〜」

いや、是非黙っていて欲しかったが・・・この質問この学園に来てからもう何回目だよ。


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あきゅろす。
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