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私立月見里学園高等部
A
「ハニー!君って人はまだ俺の愛を疑ってるのかい!?そんなことをしなくとも俺はこんなにも君を愛している・・・ノォオオオオオ!!!!」

 ってどうやら龍之介の思考回路はよほどお気楽に出来ているらしい。

花でも咲いてやがるのか!?

よくもこんなに自分のいいようにものごとが考えられるもんだ・・・。

 そんな勘違い野郎に俺は静かに蹴りを食らわすと、地面に落ちたままになっていたバッグを拾い、ご丁寧に鍵までかけてあったドアを開けて出て行ってやる。

「ちょ、待つんだ!ハニー!」

もちろん龍之介は後を追ってこようとしたが、すかさずその鼻の先で、力強くそれを閉めてやった。

・・・それで少しは反省しろ。

「に、新名くんどうしたんだい?」

 物凄い形相で出てきた俺に、いつも笑みを絶やさない那月先輩も流石に驚いたらしい。

目を見開き、俺を頭の先からつま先まで見つめると、はっとしたように駆け寄ってきてくれる。

「まさか龍之介が何かしたんじゃ!?」

 なんていい人なんだろうか。

アイツとは大違いだと、多分部屋の中でぶつけた鼻を押さえて蹲っているだろう龍之介の姿を思い浮かべ、顔を顰める。

それで察したらしい那月先輩は白い顔を真っ赤にすると、さっき俺が出てきたドアに向かい、力任せにそれを押し開けようとした。

「龍之介!!!!・・・あ」

が、タイミング悪く(よく?)出てきた龍之介の、今度は額にその角が当たって、彼は再び蹲る結果となってしまう。

まあ、これで大人しくなってくれれば言うことないな。

 ナイス、先輩と心の中でこっそり彼を称えると、呆然とその光景を見ていた柏木先輩に声を掛けた。

「あの・・・申し訳ないんですが柏木先輩・・・

「新名くん!あんな野獣と一緒の部屋だなんて危険だ!今日は僕と一緒に寝よう!」

・・・と、いうわけでよろしくお願いします」

しかしそれを遮るよう、那月先輩に先を越されてしまったが。

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