私立月見里学園高等部
ストップ!ダーリン
簡易キッチンに置いてあった割り箸に1〜3の数字を2つずつ書いて即興で作ったくじ引きで部屋割りをすることになったのはいいのだが・・・。
「お、俺は結城と一緒か。よろしくなー」
「あ、よろしくお願いしまーす」
という何だか平和そうな礼央先輩とカズに残された4人はというと。
「YES!これは愛のなせる業だよ、マイスィート!」
「・・・2番」
「な、那月くん!よ、よよよよろしくねっっっっ!!!」
「・・・はい、こちらこそ」
って最悪の組み合わせじゃないか!
100歩、いや1000歩くらい譲って龍之介の煩いのを我慢すればこの組み合わせはまだいい。
しかし、那月先輩と柏木先輩というのは問題じゃないか?
さっきあんな話を聞いたばかりだと言うのに、ここは俺が!
「っては・・・がっ!」
那月先輩の方へ向かおうとしたところ、それより先に猫の子を持つように襟首を掴まれて・・・って絞まる!絞まる!!!!
半ば引き摺られる恰好で1番奥まった部屋へと連れ込まれそうになる俺は、助けを求めるべくカズへと手を差し伸べる。
しかし、何を勘違いしたのかニコニコと手を振られて、見送られてしまったではないか。
ああ、もう。カズに助けを求めた俺が悪い・・・。
その時同じようにこちらを見た那月先輩の顔がいささか曇っているように見えて、はっとする。
やっぱりこれはどうにかしないと!と、正義感に駆られた俺は龍之介の手を振り切ってそちらへと向かおうとするが、とき既に遅し。
鼻先でドアが閉まった後だった。
「これで2人きりだよ・・・ハニー」
ってなんだか人事じゃなく、俺も嫌な予感がするのは何故だろうな?
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