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私立月見里学園高等部
A
「龍之介先輩・・・」

「・・・何だかいい響きだな」

 こっちは言いづらくて仕方ないがな。

”りゅうのすけせんぱい”って文字数多いんだよ。

 面倒だから本人の前以外ではこっそり呼び捨てで呼んでやろうか!?と、なんだか入寮日とは真逆のことを思い出した俺はこっそりと溜息を吐く。

まさかこの人とまた名前のことで揉めるだなんて思いもしなかったな。

「これからはそう呼んでくれたまえ。・・・ああ!それもそれで重要だったんだが、マイハニー!この俺の前で堂々と他の男と浮気するだなんてどういうつもりなんだい?この可愛い唇で言い訳をするなら聞いてあげないこともないよ」

 さっきの真剣な態度はどこへやら。

いや、むしろこれが彼の”真剣”なのかもしれないが、途端に始まるマシンガントークに脱力を隠しきれない。

肩からバッグがずり落ちると、それはそのまま滑り落ち、龍之介(さっそく呼び捨てにしてやった)の足の上へと不時着する。

「ouch!」

母さんに指定されたもののせいで結構な重さのそれが靴の上とはいえ、落ちてくれば痛いに違いない。

しかし片足を持ってぴょんぴょんと跳ねる様は物凄く滑稽だった。

「何だか楽しそうだな」

 というカズの台詞に、持ち直したバッグをもう一度落としそうになってしまう。

「はぁ・・・」

それにしても見てたんなら止めてくれよ、他の3人もさ。

まあ、相変わらず柏木先輩は那月先輩しか見てないんだがな。

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あきゅろす。
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