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私立月見里学園高等部
よろしくお願いします
 3年の学年主任らしき年配の教師の話によれば、各学年2名ずつの6人のグループで飯盒炊爨をした後、夜は肝試しをする・・・って俺達は小学生か!

しかし、それは意外にも好評らしく、皆キャーキャー言いながら喜んでいるのが現状だ。

うーん・・・飯盒炊爨はまだしも肝試しって・・・加賀美とかがお化けの役でもやるんだろうか・・・想像できん。

「では、皆さん短い時間ですが大いに楽しみましょう!」

という教師の掛け声に、元気に声を上げたここの生徒達は意外に素直な奴らばかりなのかもしれない。

 1班から順番に並べということで、そのまさに1班である俺とカズは今いる左端から間逆の右端に向かったわけだが、既にそこにいた他の面々を見て驚きを隠せなかった。

「マイスィートハニー!!!!!!!!!」

どうせなら各学年のメンバーもあのプリントに書いておいてくれればよかったものを・・・!!!!!

 金髪を振り乱しながら飛びついてきた相澤先輩をかわしながら、さらに後ろに佇んでいた那月先輩に小さく頭を下げる。

「やあ、新名くん。それに結城くんも。明日までよろしくね」

「Oh my God!でも釣れない君も魅力的さ!俺を焦らして楽しんでるのかい?俺の可愛い小悪魔ちゃん♪」

騒がしい相澤先輩と、それから那月先輩、更には食堂で見たあの少し軽そうな感じの先輩に加え、あと1人は知らないがなんとなく品のよさそうなお坊ちゃんといった感じの人でとりあえずメンツが濃い。

しかしこのメンバーで飯盒炊爨とかちゃんとできるんだろうか・・・?

「よう、俺のこと覚えってっか?アシュレーのハニーの新名ちゃん」

 そんな俺の心配を他所に、早速勘違い発言をしたこの軽そうな彼は、やはり大きなサングラスを少しずらすと、この間は気付かなかったが灰色の目を瞑ってウィンクを寄越してくる。

それは様になっているが、誰がいつ誰のハニーになった・・・。

「誰がですか・・・」

「あら?アシュレーがハニーハニー言ってるから、てっきりそうかと・・・悪いな」

しかし、意外にも彼は常識人?らしく、俺が呆れたようにそう吐き出せば、素直に頭を下げてくれる。

「本当、龍之介は妄想癖があるから気にしない方がいいよ、新名くん」

それに追い討ちを掛けるように那月先輩がそう言って、一人落ち込んだ様子の相澤先輩をカズが首を傾げて眺めていた。

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あきゅろす。
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