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私立月見里学園高等部
B
 その後もワイワイと騒ぎながら目的地へとバスで向かったクラスメイト達は、着くころにはぐったりとしていて、それを無視して寝ていた俺と結城だけがすっきりとした顔で集合場所に降り立っていた。

この広場を中心に、広範囲に渡ってコテージが並んでおり、隠されたリゾート地に俺は感心したように声を上げる。

森林に囲まれたそこの遠くでは波の音が聞こえ、もう少し暖かい季節ならばそこで泳げただろうに。

 しかし、こんな場所で一体何をやろうっていうんだろうか?

交流会という名だけに、何らかのイベントがありそうなのだが・・・。

他学年の人たちと1泊2日をコテージで過ごして終わりってことはないだろうし。

「かくれんぼしたら楽しそうだよな?な、やまなし!」

 と屈託のない笑みを結城に向けられるが、うーん・・・それはそれで大変なことになりそうだぞ?

しかし、それにしても・・・。

「その、”やまなし”ってのややこしくないか?」

「え?ああ!やまなしが2人に増えたもんなー。じゃあにーなって呼ぶからカズって呼んでくれよな!」

 実は前々から感じていたことなのだが、不便を感じていなかったのだろうか?

中々言い出せなかった俺だが、皆が自然と”新名”と呼ぶのに対してどちらも苗字で呼ぶカズ自身は使い分けているのか、しかし呼ばれるほうとしてはどっちか分からなかったのだ。

 すっきりしたところで、ぞくぞくと集合してきた生徒達を見渡せば、やはりぐったりしているのはうちのクラスだけらしい。

全く、世話の焼ける・・・。

 元々乗り物が得意そうでない委員長の渡辺の変わりにカズと2人クラスメイトたちを引率してやる。

遅れて降りてきた加賀美がそれに加わって、肩に手を回してくる再従兄弟に首を傾げながら、他の生徒達に倣って列を作った。

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