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私立月見里学園高等部
A
 渡辺に渡されたプリントを後ろの黒崎に回すと、とりあえず自分の名前を探すべく視線を巡らせる。

ってなんで俺の名前だけ”新名”って下の名前なんだよ…分かりやすいが。

「あああああああー!」

 ってびっくりするだろうが…。

すぐ後ろで声を上げた上に、肩を揺さぶるのはやめろ!

し、締まる…っ!

「なんで!なんでだよ新名!出席順でぜってー新名と一緒だと思ったのによー!」

しかも決めたのは俺じゃねえ!

アイツだよ、担任の加賀美だって!

「黒崎、てめぇはうるせぇよ。しかも決めたのは俺じゃなく昔からの決まりだ、新名」

苦しみながら加賀美を指差す俺に、心外だとばかりにそう告げられるが、それは俺じゃなくこの黒崎に言ってやってくれ…。

「いいか、クラスのトップとまあいえばドベ、2位とブービー賞…」

「って俺ブービー賞かいな」

「という具合にグループ分けされてんだよ」

「無視すんなって加賀美ちゃーん!」

 ちゃちゃを入れる秦名は黒崎と同じグループで、俺は結城と同じだ。

未だ首に抱き付いてくる黒崎を引きはがしながら、教室の対極にいる結城を見やれば、ヒラヒラと笑顔で手を振られて癒される。

黒崎も別に悪い奴じゃないが、毎朝のコイツの寝汚さを考えれば結城でよかったと思ってしまう俺だった。

「俺も新名と一緒がよかったし!」

 て伊近のことすっかり忘れてたな。

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