君が好きだから無敵
4
「あ!そう言えばまだクラリスには言ってなかったな」
「うん?」
食事を終え談話室に戻ると、ドラコは目をキラキラと輝かせてとても嬉しそうに言った。
「僕、スリザリンのシーカーになったんだ!」
「そうなの?おめでとう!」
「え!?まじ!?」
アギがドラコに問いただす。
「もちろん。これで今年度のクディッチはスリザリンが優勝だ!」
「頑張ってね、ドラコ」
何か言おうとしたジキルの口を、ややこしくならないように塞いでクラリスが言う。
「なんだよー。俺もシーカーやりたかったのに」
ぼやくアギをドラコがスパッと切り捨てる。
「一年にはまず無理だ。……先生のお気に入りなら別だけどね」
そう言うドラコの顔は忌々しげに歪んでいた。
「っドラコ、じゃあ僕にルール教えてよ」
「クラリスに?
お前、クディッチに興味なかったじゃないか」
「ドラコがやるんなら別だよ。ちゃんとルールも理解してしっかり応援したいもん」
にっこり微笑むクラリスに少し照れながらドラコは頭を撫でてやった。
微笑ましいもんだ、とアギはその様子をニコニコと眺める。
「そういえば僕らも明日、箒の授業だったな」
思い出したようにジャックが言った。
「そうだったっけ。覚えとけよマルフォイ、来年は俺がシーカーだ」
「そんなこと言って明日箒から落ちるなよ、スレイダ」
意気込むアギにマルフォイがにやりと笑う。
「箒かあ……」
クディッチに興味のなかったクラリスは箒に乗ったことがない。
空を飛ぶってどんな感覚なんだろう。
きっと、ものすごく気持ちいいんだろうなあ……
明日の授業が楽しみだな、とクラリスは小さく笑みをこぼした。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!