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君が好きだから無敵
おともだち



「一緒の部屋みたいだよアギ!」

「まじか!運命だな」


ニカリと笑ったアギにクラリスもくすりと笑い返す。


「しっかしまあ……今日は疲れたなあ」

「さっきまですごくはしゃいでたからね。アギはずーっと口開きっぱなしだったし!」


クラリスはクスクスと笑いながらぐったりするアギを見る。


「僕、アギのおかげでホグワーツでうまくやっていけそう。
ありがとうね」

「こっちだって。
……よかったよ、クラリスの側にいられて」


ほんわかした空気にアギは照れくさそうに言った。


「っもう寝よう!
おやすみクラリス、また明日」

「うん、おやすみ」


バタバタとベッドに飛び込んだアギを不思議に思いながら、クラリスも自分のベッドへ向かう。

他のルームメイトはどんな人なんだろうと考えているうちに、クラリスはいつの間にかすやすやと寝息をたてていた。












翌朝、クラリスとアギは早々に食事を終えると授業が始まるまで校内を見て回ることにした。


「わっ!すごーい!
アギ、階段が動いた!」

「動いちゃ駄目だろ、戻れないじゃんか!」


はしゃぐクラリスにアギが手すりに捕まりながら叫んだ。

クラリス達の最初の授業は魔法薬学。地下で行われるのだ。


「くそっ急げクラリス、他のとこから降りるぞ!
記念すべき初授業で遅刻なんて幸先悪すぎる……!」

「そうだね、しかもスネイプ先生だしね……」


昨日の険しい表情をしていたスネイプを思い浮かべクラリスも顔色を悪くする。

二人は必死に教室を目指した。




「……遅刻だ、エルブレル、スレイダ」

「す、すみません、階段が言うこと聞かなくて……」


健闘虚しく2人は仲良く授業に遅れた。
クラリスは怯えながら言葉を取り繕う。

なぜ階段を登った……とスネイプは呆れたように首を振った。


「……とにかく早く席に着け」

「はいっ」


慌てて二人は空いている席に座り込む。

教室で何が行われていたのかとクラリスが周りを見渡すと、こちらを興味津々で窺うグリフィンドールの少年と目があった。


「……なんだよ」


遅刻したのがそんなに珍しいか、とクラリスはムッとして呟く。


「こら、クラリス」


周りを盗み見て教科書を開きながらアギがクラリスを諭した。


「昨日マルフォイに言われたろ、他寮の生徒と関わるなって」

「あー……」


そういえばそんな事も言われたかな、とクラリスは少年からふいと顔を背けた。

そしてぼんやりと教科書に視線を落としつつスネイプの小難しい話を聞き流した。




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