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疑問


ぱちっ

腕をいじられているような感覚がし、目を覚ます。




窓からは光が差し込み、眩しくてまともに目が開かない。



うっすらと目を半分だけあけて見てみると、白衣のオジサンが点滴をつけかえているのが見えた。



(…誰?)




そのとき、


―シャマルが後で教えてくれると思うから―


と、突然沢田綱吉の言葉が頭をよぎる。





(もしかして、この人が…?)



物は試しだと思い、確かめるような気持ちで、


「シャマル…」


と、ほんの小さな声で、ぼそっと呟く。



私の呟きが耳に届いたのか、白衣の人が反応する。


「紫穂、?」



ようやく光に慣れた目を開き、白衣の人をじっとを見つめる。


……あ、名札発見。
やっぱシャマルって人だ。



私がそのままシャマルを見つめていると、口を開いた。


「起きたんだな…。紫穂、…っ」



そして、途中で言葉を、話すのを、止める。



「…別に気使わなくてもいいよ」



そう良い、微笑する。

それにつられ、シャマルも僅かに微笑む。






2人が微笑むのをやめてから、少し時間を開け、ようやく口を開く。



「…2週間前に交通事故にあったこと、覚えてるか?」

「覚えてない」

即答し、言葉を続ける。

「…今までの記憶も、全てない」



「!!!」

シャマルは驚き目を見開く。





そんなシャマルを見、ずっと聞きたかった質問をしようと、決意する。





「…だから、教えて。」



「私は、どんな人だったのか」




そう、言い終わった私は、シャマルの口が開くのを待ち、自分の口をそっと閉じた。






(問う彼女と)

(戸惑う彼)




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あきゅろす。
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