―Bad End Kokuyo Side 「骸様…本当にこれで良かったのですか?」 帽子を被っている少年が、問い掛ける。 「…いいんです、これで。彼女には夢だとしても幸せになってほしいですから」 今にも消えてしまいそうな、儚い願い。 それが、偽りの幸せだとしても。 …窓から見える空を見つめ、捧げる言葉を選ぶ。 「…紫穂、次の世界で、また会いましょう」 そして、静かに目を瞑る。 ただ、彼女に幸せをという願いを込めて、最初で最後の力を使ったんです。 「次こそ平和な世界で、4人で幸せに暮らしましょう」 …部屋にいたと千種と犬が、柔らかな表情で頷いた。 (あなたのいない世界なんて、色のないパレットと同じです) 20091126完結 ← |