歩き方



ずいぶん歩くことを基本から必然的に遠ざけていたために
歩き方を忘れてしまいそうになる
だから私は歩いてみた

時間は進んでいるのに
まるでさかのぼるみたいに
そこには、懐かしい景色があった

歩くスピードを知った
心地よい風を感じた
改めて知ることが、たくさんあった
「当たり前」として片付けてきた
ひとつひとつのことが
輝きをまきちらしていた

踵、爪先の順で
地面を踏みしめ
そこから蹴りあげて
一歩一歩 前に進む

背筋をしゃんとのばし
視線を遠く、ひざを曲げ、

ああ、生きてる

自然を感じる幸せを
歩いて知ってゆく喜びを
なくしたくないなあ

2009.8.19

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