正しい戦争なんてない

どれだけの人が平和を願っただろう
どれだけの人が傷付いただろう
どれだけの人が、どれだけの人が、、
そう考えるだけで、少し探るだけで
こうして胸がキリキリ痛む
生きるためか、死ぬためか
戦争となってはもはやそこに理由は
いらないのだろう
悲しみと怒りがどうやって拭えよう
その時に限って、
殺人は犯罪ではない
人間は脆く、儚い
脆いことは危うく、夢を見るから儚い
人間の思いつく限りの残酷な殺人でも
その時はそれが正義だった
おかしな教育
おかしな政治
ひとりひとりに大切な人がいて、
いろんな思いを抱えて、
同じ境遇であろう人の命をうばう
時に自ら自分の命をうばう
生命とは、死ぬために生まれるわけじゃない
生きるために生まれた結果が死であるだけ
それなのに
利益、自尊心、物質的なものを守るために、たったそれだけのために
殺し、殺され、憎しみがくりかえされる
ずっと同じことを、人間はくりかえしてきた
学んだはずなのに
それはただの結論と位置付けられ
ほんとうの意味をなくしてきた
人の形をした兵器
壊れゆく精神
何のために?血の上に立つことが
幸福と言えるのだろうか
いちはやく降伏していればよかったと
願えど後の祭りとわかっていてなお、
願わずにはいられないのだ
憎しみは憎しみしかうまない
ちっぽけな弱さやエゴで
たくさんの人が巻きこまれ
ほんとうの命の輝きを、意味を、
忘れてしまった
また、気付きながらも
押し殺した
人間の、人格のあるものの、
成せることではないはずのことが
当たり前のように行われた
愚かで、罪深くて、
それでも、生きて、伝える人がいる
大切な人を亡くして、希望を見出せずとも
絶望の淵を歩きつづけ、
刻まれた記憶の欠片を
訴える人がいる
その言葉を、その事実を、
その写真を、その記録を
決して、忘れてはならない
決して、絶やしてはならない
痛くとも、辛くとも、
この胸に刻み続け、
伝えつづけなければならない
そうしてもう二度と、くりかえしてはならない
命の重みを忘れないように
その尊さを見失わないように
そのための教育を
そのための政治を
そのための破壊と慈悲を
すべてのものへの愛を持ち
傷付き、絶望の淵をさまよいつづけても
輝きをなくすことのない
命を、当たり前のものにしよう

大切なのは
共に生きる、ということ

2009.8.16 空汰


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