短いの
('A`)と息子とはじめての短冊
('A`)「平馬、短冊作ろうか」
ダイニングテーブルの上でおえかきに勤しんでいた息子に声を掛けると、
彼はきょとんとした顔で振り向いた。
その視線は俺が担いできた笹に注がれている。
ノ(゚、゚;リそ「うわ、なにその笹」
('A`)「いいか平馬、短冊ってのはな」
ノ(- -#リそ
('A`)「願い事を書いた紙を笹に付けて、七月七日の七夕の日に飾るんだ。
すると織姫さまと彦星がな」
ノ(゚ー゚*リそ「! なるほど、そうすれば願いごとがかなうってスンポーだね」
('A`)「うん、まぁ・・・・」
息子は今年で三歳。
難しいひらがなも書けるようになってきたし、
随分とませた口を聞くようにもなった。
息子の成長を目の当りにする度嬉しく思うものの、苦笑させられる事も多い。
('A`)「よく考えて書けよ、願い事は一つだけだからな」
ノ(゚ー゚*リそ「うん」
短冊とペンを渡すと息子は真剣な面持ちになった。
何を書こうか本気で悩んでいるんだろうな。こういう所はやっぱり子供だ。
俺も息子の隣に座り、同じように短冊に書く願い事を思案する。
嫁はカウンターの向こうで夕食の支度しながら、こっちの様子を楽しそうに眺めていた。
台所からは嫁の得意料理である、カレーの良い匂いが漂い始めている。
ノ(^ー^*リそ「できたー」
('A`)「お、どれどれ・・・・」
一体息子は何をお願いする気だろう。
出来上がった短冊を覗き込むと、元気の良い字でこう書かれていた。
あやかし しりーず の ぞくへん が でますように
('A`)「・・・・」
ノ(>ー<*リそ「はやくかざろうよー!」
('A`)「・・・・うん」
育て方を間違えたのか、成功したのか。
息子は日々確実に“あいつ”に近づいている。
この後嫁に「あやかしって何?」と聞かれたのは言うまでもない。
おしまい。
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名無し同居の後日譚。未投下。
息子はすくすく育っているようです。
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