短いの
本文3
やがて、
('A`)「俺・・・・最近仕事始めたんだ。これからは一人でなんとかやってくから、
カーチャンももう無理しないでくれ」
ありがとう、それから本当にごめん。
母は優しく微笑んだ。
その二日後。
母は何故か驚異的な回復力を見せ、医者も驚く程元気になって退院した。
J( 'ー`)し「規則正しい入院生活でお肌ツヤツヤだよ」
('A`)「俺の涙を返してくれよ」
母が亡くなって通夜に葬式に、と最悪の事態を想像していた俺は、
この展開に拍子抜けしたものの、本音はやはりホッとしていた。
('、`*川「帰りは電車でね」
('A`)「送ってくれないのかよ」
('、`*川「やーよ、ガソリン高いもん」
こうして一週間と、予定よりもかなり早く帰る事になった。
携帯を見たら、何かツンからの着信が100件近く入っていた。
夕方になって、俺はアパートに帰宅した。
('A`)「ただいま」
鍵を開けて入ると、部屋の中が暗かった。
('A`)「“対象a”・・・・?」
返事は返ってこない。
俺は狭い部屋の中を手当たり次第に探した。
台所、便所、風呂、押し入れ、エロゲの箱がなだれ落ちる。
西日の射し込む暗い室内で、俺は一人うなだれた。
('A`)「・・・・居なくなっちまうなんて、聞いてねぇぞ・・・・」
ふと視界の端に映ったAYAKASHIの箱。
“対象a”の無邪気な笑顔が脳裏に浮かび、目頭が熱くなってくるのを感じた。
('A`)「“対象a”・・・・」
(;A;)ー゚リそ
(;A`)ー゚リそ
( 'A)ー゚リそ
(;'A`)ノシ「うおぁあああああッ!?」
ノ(゚ー゚リそ「呼んだー?」
('A`)「おま、紛らわしい事すんじゃねぇよ・・・・」
ノ(゚ー゚リそ
('A`)「お前・・・・」
夕日の逆行に佇む“対象a”
その体は半分透けていた。
ノ(゚ー゚;リそ「ごめん、もうちょい一緒に居たかったんだけどな」
もう時間が無いんだ、と“対象a”は寂しそうに笑った。
('A`)「成仏しちまうのか・・・・」
ノ(゚ー゚リそ「いや、幽霊じゃないんですけどね」
('A`)「お前、俺の身内だって言ってたよな」
ノ(゚ー゚リそ「嘘は吐いてない」
('A`)「名前・・・・最後にせめて名前を聞かせてくれないか」
ノ(゚ー゚リそ「名前はまだ無い」
こんな時まで漱石か。
某お笑い宜しく頭を張ろうとして、俺の手は空を切った。
ほとんど消えかかっているその姿に、本当にもうお別れなんだな、と感じて俺は目を伏せる。
ノ(゚ー゚リそ「そのうちまた会えるよ、だからドクオ、ツンさんと仲良くな」
('A`)「? なんでツン・・・・」
ノ(゚ー゚リそ「カッコイイ名前、期待してるからな。
・・・・“お父さん”」
あと最後に、冷蔵庫に肉じゃが入ってるよ。
そう言い残して、“対象a”は橙に溶けるように消えた。
('A`)「・・・・お父、さん・・・・?」
それから月日は流れ、俺はもうあの頃の様な駄目人間ではなくなった。
ξ゚听)ξ
つ )
ξ゚听)ξ「あたし幸せよ、ドクオ」
すっかり大きくなったお腹をいとおしそうに撫でながら、ツンが言う。
まだ八ヶ月なのに、今にも出てきそうだと思った。
就職が決まって、ツンにプロポーズした。
二年経って、子供も出来た。
俺の、守るべき家族だ。
ノ(゚ー゚リそ「そのうちまた会えるよ」
そうだな、もうすぐ会えるな。
嫁の腹に思わず頬摺りをして、「キメェ」と頭を張られる。
見上げた顔は朗らかに笑っていた。
どうしてこうも、母親というやつは優しい表情をするのだろう。
('A`)「あー、早く会いたいぜー!」
ξ゚听)ξ「バカ、まだ二ヶ月もあるのよ」
そんな事はわかっているけど、待ちきれなかった。
お前のご期待に添えるような、カッコイイ名前を考えてるんだ。
だから早く、俺に会いにこいよな。
('A`)は名無しと同居するようです・おわり
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