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長いの
#6‐1

深夜、悪戯に漁船へ乗り込み、危うく遭難しかけた旅の音楽家は、
地元の船乗り達のチームワークによって無事保護された。




( ^ω^)(・・・・と、言う事になりました)


ミ,,゚Д゚彡「兄さん大丈夫か!?」

ノ(;、;リそ「うわーんっ、怖かったですー!」


( ^ω^)(ひくわ)






#6 子供好きとロリコンは別物です



隣接させた船から乗り移ってきた船乗りの操舵で、マウスの乗った船は港へ帰ってきた。
当然こっぴどく怒られたワケだが、

ミ,#゚Д゚彡「勝手に船を出したりして、アンタ一体何やってたんだ!」

ノ(;、;リそ「えぐっ・・・・船を見に来たら見張りの人が寝てて・・・・つい出来心で・・・・
      それで中も見てみたくて乗ったら、いつの間にか沖に流されて」

ミ,#゚Д゚彡「昨日の見張り!!」

(;゚д゚)「す、すんませんっした!」

ノ(;、;リそ「もう帰って来れないかと・・・・怖かったよぉおおお」

・・・・という具合に、昨夜の見張りに責任を擦り付け、私刑を免れる事に成功。
代わりに見張りをしていた若い船乗りが、拳骨を貰っていた。
若い方の船乗りの顔、何か見覚えがあるような気がしたが、多分気のせいだろう。


ノ(;ー;リそ(ふ、ちょろいもんだ)

泣き顔の下でマウスが薄く笑う。
居眠りは事実だから、見張りも悪い事は悪いのだ。
とはいえこの一部始終を知るブーンとしては、

( ^ω^)(恐ろしい子・・・・ッ!)

と思わずにはいられないのだった。

ミ,#゚Д゚彡「ったく、ここからは外海に出られないから良かったようなものの・・・・」

ノ(;、;リそ「!」

さめざめと嘘泣きをしていたマウスが、さっと顔色を変える。

ノ(゚、゚リそ「外海に出られない・・・・?」

ミ,,゚Д゚彡「ん?ああ、この辺は潮の流れがかなり変でな。
      小さい船だと島の周りをぐるぐる回っちまって、外海に出られねーんだ」

( ^ω^)(なんとも、まぁ)

ミ,,-Д-彡「入ってくるだけなら小さい船でも出来るんだが・・・・
      まぁ何にせよ北の浜まで流されなくて良かったな。あそこは危ねぇ」

ノ(゚、゚リそ「・・・・」

結局、島を出る方法は見つかりそうに無い。

婚礼が終われば迎えの船が来る事になってはいるが、どうにも気が急いてならなかった。
将軍の言葉を借りれば「何か、この島に居てはいかんような」気がする。




( ^ω^)「今何時だお?」

一通り説教を貰い、船乗り達から解放されると、開口一番にブーンが聞いてきた。

ノ(゚、゚リそ「ん・・・・まだ七時前」

逃亡に失敗した事で、この後の予定がすっかり変わってしまった。
ツンが案内に来るのも、もう少し陽が上がってからだろうし、それまではこれといってやる事も無い。

ノ(゚、゚リそ「・・・・どうすっかねぇ、これから」

( ^ω^)「お前に任せるお」

ブーンは力無く返事をする。

( ^ω^)(・・・・って、僕がこんな投げ遣りでどうするお!
       島から出られない以上、マウスの身の安全を守れるのは、
       頼れる相棒兼保護者である僕の助言だけだお!)

うっかり気弱になりかけていたブーンは、相棒の為にと自分を奮い立たせた。

ノ(- -リそゞ「何処も開いてない時間だしなぁ・・・・ああもう気持ち悪い」

一方のマウスはと言うと、一晩中潮風に当たった所為でベタつくのか、短い髪を頻りに弄っていた。

( ^ω^)「・・・・マウス、わかってると思うけど、島の人間には気を許しちゃ駄目だお」

ノ(゚、゚リそ「ほい?」

( ^ω^)「この島・・・・まともじゃないお」

ノ(゚、゚リそ「・・・・うん」


一旦宿に帰ろう、話はそれからだ。
そうして市街に戻ってきた二人だったが、中央広場の前でその行く手を阻まれる事になる。

o川*゚ー゚)o「あーっ、マウス様ァ!」

ヴィップ城に至る立体交差の階段を、こちらを指差しながら降りてくる女の子の姿。
格好からしてツンと同じ、親衛隊の様だ。

o川*゚ー゚)o「うわぁ、私ってば超らっきーぃ☆
      なかなか捕まらないって隊長がぼやいてたから、ぶっちゃけブルー入ってたんですよねーっ!」

( ^ω^)(うぜぇ)

ノ(゚ー゚リそ「おはようございます・・・・えーっと、親衛隊の人ですよね?」

o川*゚ー゚)o「はぁーいっ、あたしキュート☆って言いますぅ。
      “キューちゃん☆”って呼んでくださいねっ!」

キューは多少うざい娘だったが、マウスは特に気にした様子を見せない。
基本的に女性に対して彼は寛大だった。

o川*゚ー゚)o「朝早くてアレなんですけど、お時間ありますぅ?
      ていうかショボン様がお会いになりたいそうなんで、ご足労願います☆みたいな」

ノ(゚、゚リそ「卿が?」

そういえば初日の接見以来、ショボン卿と直接会っていなかった。
こんな朝っぱらに何の用かと思ったが、今は都合が良い。
こちらも卿に聞きたい事があった。

ノ(゚ー゚リそ「伺います」

o川*゚ー゚)o「かしこまりー!それでわ私について来て下さいな☆」

ノ(゚ー゚リそ(・・・・同じ親衛隊でもツンさんとはえらい違いだな)

王室親衛隊にはもう少しお堅いイメージがあったのだが。
流石のマウスもちょっと笑顔が引きつり始めていた。






マウスを応接間に連れてくると、キューは一人さっさと下がってしまった。


(´・ω・`)ノシ

応接間の中には待ち侘びた、という様子のショボン卿。
見事に割れた腹筋が本日もまばゆい。

室内を見回すと兵士の姿が見えなかった。
広間に野郎と二人きり・・・・朝から最悪のシチュエーションである。

それにしても、

( ^ω^)(やれやれ、ウチの相棒も信用されたもんだお)

丸腰の華奢な音楽家、とはいえ部外者と会うのに護衛の一人も置かないとは、
この領主殿はなかなか肝が座っていると見えた。

ノ(゚ー゚リそ「おはようございます、ショボン卿」

(´・ω・`)「やあ、おはようマウス君。こんな朝早くに呼び付けて悪かったね」

ノ(゚ー゚リそ「そんな事ないですよ。僕も卿にお聞きしたい事がありましたから」

(´・ω・`)「それはなんというシンパシー・・・・じゃあ早速だけど や ら な い か 」

ノ(゚ー゚リそ「・・・・」

二人の間に冷たい空気が流れる。

(´・ω・`)「冗談だよ冗談。そう本気に取らないでくれ給え」

ノ(゚ー゚リそ「目がマジでしたよ」

(´・ω・`)「気の所為だ。それはそうと何だい?君が聞きたい事と言うのは」

ノ(゚ー゚リそ「ええ、大した事ではないんですけど・・・・
      祝祭の期間中に、この島に観光船が着く予定はありますか?」

(´・ω・`)「うーん、聞かなければわからないが・・・・おそらく無いだろうね。
      祝祭目当ての観光客なら粗方着いているだろうし」

ノ(゚ー゚リそ「そう、ですか・・・・」

小さい船では島を出られない。
観光客を乗せた船が港に着けば、と思っていたのだが、アテが外れてしまった。

ノ(- -リそ(ま、あまり期待して無かったけどね)

(´・ω・`)「ところでマウス君、作曲の方の調子はどうかな」

ノ(゚ー゚リそ「ぼちぼちですね」

昨日は島を出る方向で動いていたので、当然ながら全く進んでいない。
と言うより、もう書くつもりが無くなっている。


(´・ω・`)「ふふふ、今から君の演奏が待ち遠しいよ。
      ところで聞いているかな?今日は聖なる宝冠の儀式がある日だ」

聖なる宝冠の儀式とは、婚礼で使われる宝冠を森の中にある神殿から取り出す儀式である。
宝冠は昨日の聖なる宝石と同様に、普段は何処かで清められていて、
婚礼がある時でなければ見ることは出来ない。

(´・ω・`)「儀式は昼過ぎだから、君も見物に来ると良いよ」

ノ(゚ー゚リそ「そうですねー・・・・」

卿の話にマウスは適当に相槌を打った。
普段なら宝冠に食指が動くところだが、今は泥棒に励んでいる場合では無い。

(´・ω・`)「儀式が済んだら、もう今日は婚礼衣裳披露会までする事が無いなぁ・・・・
      まったく、退屈で仕方ないね、城住まいは」

やれやれと肩を竦めてみせるショボン卿。贅沢な悩みである。

ノ(゚、゚リそ「婚礼衣裳披露会?」

(´・ω・`)

一瞬間を置き、そうだ、と卿が手の平を打つ。

(´・ω・`)「島の名士を集めてね、一足早くクーの花嫁姿をお目に掛けようという趣向なんだよ。
      ・・・・で、どうだろう、今夜のその会に君も出席してくれないかな」

ノ(゚ー゚*リそ「喜んでっ!」

( ^ω^)(って即答かーい)

卿が満足そうに頷いた。

(´・ω・`)「では、後で使いの者を呼びにやらせるよ。
      ・・・・一応宿で待機していて貰えると有り難いがね。
      何せ君はなかなか捕まらないと言う話だ」

ノ(゚ー゚リそ「その愚痴の出所はツンさんですね。わかります」

その後しばらく卿の長話に付き合わされた。
先程の言葉通り、城住まいはよほど退屈と見える。


一時間程経った頃、卿の話はようやく一段落した。

(´・ω・`)「いや悪かったね、つい長話になってしまったよ。
      君にも予定があるだろうに」

( ^ω^)(ま、暇なんですけどね)

(´・ω・`)「それじゃあ、今夜の婚礼衣裳披露会で会おう」

ノ(゚ー゚リそ「ええ、では僕はこれで」



(´・ω・`)「・・・・ああ、そうだマウス君」

一旦下がりかけたマウスを卿が呼び止めた。

(´・ω・`)「昨夜はお楽しみ頂けたかな?」

ノ(゚ー゚リそ「?・・・・あ、はい。やっぱり周りが海なだけあって魚が美味しいですね」

(´・ω・`)「・・・・やれやれ、その様子では何も無かったようだね」

マウスが首を傾げていると、卿は可笑しそうに喉を鳴らした。

(´・ω・`)「ツンの事は気に入って貰えているかな?」

ノ(゚―゚リそ「!」

( ^ω^) チッ


(´・ω・`)「君の言う事には“全て”従うように言ってある。
      ま、せいぜい可愛がってやってくれたまえ」

ノ(゚―゚#リそ「・・・・」

マウスが無言で踵を返すと、背後で卿の笑う声が聞こえた。





ノ(゚―゚#リそ「・・・・胸くそ悪ぃ」

応接間を出たところで、早速マウスが毒づいた。
誰が聞いているとも知れないのに、辺りに気を払う様子が無い。
相当ご立腹の様子だった。

( ^ω^)(あの腹筋野郎しねばいいのに)

いくらそうした事に疎いと言っても、マウスには卿の言わんとする意味がわかったようだ。

卿はツンにマウスの夜伽も命じていたのである。

昨夜の彼女の言動から、ブーンは大体の事情は察していたが、
わざわざ相棒の気分を荒立てる事も無かろうと黙っていたのだ。

・・・・しかしどうやら彼の気遣いも無駄になってしまったようだ。


( ^ω^) チラッ

ノ(゚、゚#リそ

( ^ω^)(あーあ、マウスのテンションが・・・・)

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あきゅろす。
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