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長いの
#4‐1


ξ゚听)ξ



ノ(゚ー゚;リそ

( ^ω^)

ツンは城の正門前に仁王立ちしていた。
それはもう不機嫌そうな顔をして。






#4 僕流、蟹の食し方



( ^ω^)(これは待ち伏せですね、わかります)

ノ(゚ー゚;リそ「あの、ツンさんはどうしてこんなとこr」

ξ゚听)ξ「マウス様はよっぽど私のことがお気に召さないんですね」

ノ(゚ー゚;リそ「はい?」

ξ゚听)ξ「なかなかお会いすることが出来ないようなので、ここで待つことにしたんです」

そういえば朝、別れ際に「時間になったらお迎えにあがります」とか言っていたような気がする。

という事は、

ξ゚听)ξ「お望み通りお城の中をご案内いたしますわ。
      ただし・・・・生憎ですけど私もご一緒させて頂きますッ」

ノ(゚ー゚;リそ(うっ、わ)

くるりと踵を返し、ずんずん城の中に入っていくツン。
その後を小走りについていくマウス。

デジャヴである。

ノ(゚、゚;リそ(一回食らい付くとすごいなー、彼女)

( ^ω^)(この子に惚れられたら男の方が大変だお)





 (´・ω・`)←


ツンに惚れられているショボン卿には同情を禁じえない。



ツンはまず最初に、マウスをフィレンクト将軍の私室へ案内した。
ツンと一緒に中へ入ると、長椅子に掛けていた将軍が、立ち上がってマウスに一礼する。

(‘_L’)「先だっては時間がなく失礼を致しました。
      私はフィレンクト、この島の軍をあずかる者です」

ノ(゚ー゚リそ「ツンさんから伺ってます」

(‘_L’)「・・・・」

ノ(゚ー゚リそ「?」

将軍が一瞬、落ち着かないような素振りを見せる。

(‘_L’)「・・・・おお、そういえば、うっかりなんの用意もしていませんでしたな。
      すまんがツンどの、冷たい飲み物でも持ってきてもらえませんか」

ξ゚听)ξ「ポーションでおk?」

どうやらツンは、公以外では将軍にタメ口をきいているらしい。
が、さすがに客人の手前、将軍は苦笑いをしている。

ξ゚听)ξ「でも抜け駆けはしないでよ。
      マウス様をご案内するのは私の仕事なんだから!」

釘を刺してツンが部屋を出ていった。
将軍はマウスに向かって肩を竦めてみせる。

(‘_L’)「参りましたな。彼女はいつもああです」

ノ(゚ー゚;リそ「いつも、なんですか」

将軍が苦笑を浮かべた。

てっきり特別機嫌が悪いのだと思っていたが、どうもそうではないようだ。

この将軍も、朝マウスに声をかけたばっかりに、

ξ#゚听)ξ「私を差し置いて!」

と怒られっぱなしだったそうだ。
その様子が目に浮かぶようで、思わずマウスは吹き出してしまった。

(‘_L’)「・・・・またすぐ怒られてしまう事になるが」

ノ(゚ー゚リそ「はい?」

(‘_L’)「ささ、マウスどの、こちらへ」

そう言って将軍は、今し方ツンが出ていったばかりの扉を指し示す。

ノ(゚、゚リそ「お、さては抜け駆けですね将軍」

将軍に促されるまま、マウスは部屋を後にした。


程なくして、三人分の冷えたポーションを盆に乗せたツンが部屋に帰ってくる。


ξ゚听)ξ
 つ旦旦旦


ξ#゚听)ξ
 つ旦旦旦


将軍の抜け駆けを知ったツンの怒り様は、それは凄まじいものだった。

偶然通りかかり、とばっちりを受けた兵士は、後にそう語る。




将軍に連れてこられたのは、四階にある広間だった。
奥に大きな硝子細工の窓があるこの広間は、会食などに使われる場所で、
それ以外には殆ど人が来ないのだそうだ。
密談には打って付けの場所と言える。


(‘_L’)「どうですか、このヴィップ島はお気に召しましたかな」

テーブルを挟んで向かい合わせに座り、将軍は話を始めた。

ノ(゚ー゚リそ「はい、とても居心地が良くて・・・・良い島ですね」

(‘_L’)「そうですか、いやそれは良かった」

率直な感想を言うと、将軍はとても嬉しそうに笑った。

マウスは午前中、城下で将軍の評判を聞きながら時間を潰していた。

将軍は城の兵士達だけでなく、多くの島民から慕われている好人物であるらしい。
マウスが聞いた限りでは、悪い話は全く出てこなかった。

面倒見が良く、末端の兵士にも気さくに声を掛ける。
ヴィップの兵士の多くは、この将軍に憧れて軍に入った者だと言う話だった。

実際に接してみて、なるほど評判通りの人物らしい、とマウスは感じていた。


(‘_L’)「私はこの島を心から愛しています。
      決して恵まれてはいないが、魂が洗われるような素朴な魅力に溢れている」

将軍はヴィップ島の事を話す時、我が事のように誇らしげに話した。
他愛の無い話ばかりだが、言外に生まれ育ったこの島への愛情を感じる。
故郷を持たないマウスには、それが羨ましく思えた。


(‘_L’)「・・・・と言うワケで、ヴィップ近海で採れるキバアンコウという魚は大変美味です」

ノ(^ー^リそ「それは・・・・今日の晩ご飯が楽しみです」

ついでに今日の夕食の疑問も解決した。

だが、

(‘_L’)「・・・・」

おそらく将軍の話というのは、こんな世間話ではない。
それを証拠に、何か言いだそうとしては言葉を詰まらせる場面が何度もあった。
しかもその都度眉間に皺が寄っている。わかりやすい。

ノ(゚ー゚リそ「あの、将軍」

(‘_L’)「なんですかな」

ノ(゚ー゚リそ「・・・・他に、何かお話があるのでは?」

(;‘_L’)「!」

見かねてマウスから切り出す。
看破された事が意外だったのか、将軍は些か動揺した様子だった。

(‘_L’)「・・・・」

険しい表情を浮かべ、そのまま将軍は黙り込んでしまった。

広間に気まずい沈黙が流れる。
やがて意を決したように、将軍は顔を上げた。

(‘_L’)「・・・・こんな話をしていいものかと、随分迷ったのですが」

ノ(゚、゚リそ「・・・・」

(‘_L’)「・・・・私には常に拭いきれない不安がある。
      何か、この島に居てはいかんような、恐ろしい事が起こりそうな気がするのだ」

ノ(゚、゚リそ「・・・・不安、ですか?」

マウスは将軍の心中を計りかねた。

漠然として掴み所の無い話だが、将軍の表情は真剣そのもの。
からかっているようにも、こちらの出方を試しているようにも見えない。

(‘_L’)「毎日そんな気持ちに襲われながら暮らしておる。
      もはやその恐怖に耐えられん・・・・!」

がたり、と音を立てて将軍が椅子から立ち上がった。
かと思うと今度は考え込む様な表情で、落ち着き無く部屋中を歩き回る。

ふと、将軍は窓の前で足を止めた。

(‘_L’)「・・・・こんな事を言うと、マウスどのはお笑いになるかもしれません」

マウスに背を向けたまま、黙り込んでいた将軍だったが、
搾り出す様にして再び話し始める。

将軍は任務の合間を縫い、ひそかに一人で島のあちこちを調査しているという。
自分が不安を感じる原因がどこにあるのか。

しかし、この島はモンスターこそあちこちに出没するが、その他は平和そのものである。
調べれば調べる程に、この不安が気の迷いにではないかという気がしてくる。
かといってその不安が消えるのかというと、むしろその逆である。


ノ(゚、゚リそ

(‘_L’)

将軍がこちらに振り返る。

意外にも真剣な面持ちで話を聞くマウスの様子に、将軍はホッとしたような表情を見せた。

(‘_L’)「なにしろ・・・・そういう不安がいつから芽生えたのか、それすらもよくわからないのです。
      昨日からのような気もすれば、何年も前からのような気もする」

ノ(゚、゚リそ「それは、妙な話ですね」

ふと、マウスは将軍の話に違和感を覚えた。

マウスは客人であり、将軍にとっては部外者だ。
先程「ひそかに一人で」と言っていたから、おそらく誰にも打ち明けてはいないのだろう。
にも関わらず、部外者のマウスに相談を持ちかけると言うのは、些か妙だ。
他に適任者はいくらでも居るはずである。

そんなマウスの心中を察してか、将軍はこう続けた。

(‘_L’)「王家のお客様であるマウスどのに、
      こんな話をするというのも変な話なのですが・・・・しかし」

一歩、将軍がマウスに歩み寄る。

(‘_L’)「昨日の様子を見て、私は思った。
      あなたは大変聡明な方だ」


( ^ω^)(・・・・昨日の様子っつーと・・・・)









(´・ω・`)「よく来てくれたねマウス君、私が」

( ^ω^)(私が聖なる腹筋だ)

ノ( ― ;リそ(やめれwwwwww)











ノ(- -;リそ(・・・・えー?)

( ^ω^)(こいつも馬鹿だろ)

昨日の接見では不躾な態度をとった記憶しか無いが、
将軍の目にはマウスが聡明な人物に映ったようだ。

確かにマウスは職業柄、あのような場に招かれる事が多いので、
年齢の割には慣れた立ち振る舞いだったと言えなくもないが。

( ^ω^)(過大評価だお)

将軍は話を続けた。

(‘_L’)「・・・・その上島民でないあなたなら、島を外から客観的に見ることが出来る。
      だから、あなたに判断して頂きたいのです」

更に一歩、将軍がマウスに近づく。

(‘_L’)「おかしいのは・・・・私自身なのだろうか」

ノ(゚、゚;リそ「・・・・」

将軍の縋るような表情に、マウスは言葉を詰まらせる。

この島は平和でのどかである。
マウスもこの島を居心地良いと感じている。

だが、マウスは昔から鼻の利く方だった。
居心地が良いと思う反面、この島に来てから・・・・
特にあの王女と会ってからというもの、胸騒ぎがしてならない。

ノ(゚、゚リそ「・・・・将軍、実は、僕も」

( ^ω^)

ノ( 、 ;リそ「・・・・・・・・」

背中から相棒の無言の圧力を感じ、マウスは言い掛けた言葉を飲み込んだ。

将軍はこの島に異変を感じているのだ。
そしてその事を部外者のマウスにだけ打ち明けている、
と言う事は彼が島民にさえ異変を感じているからでないのだろうか。

マウスの本能もまた、彼に警告していた。
これ以上関わってはいけない、と。


ノ(- -リそ

ノ(゚ー゚リそ

深呼吸をひとつ、努めて自然な笑顔を作ると、マウスは将軍の顔を見上げた。

ノ(゚ー゚リそ「・・・・将軍、ひょっとして疲れてるんじゃないですか?」

(‘_L’)「・・・・!」

ノ(- -リそ「そのように不安に思われる事が、この島にあるとは思えません」

将軍は落胆の色を浮かべた。
罪悪感が、ずくりと胸を抉っていく。

(‘_L’)「・・・・ですな。いや、まったく申し訳なかった」

ノ(゚、゚;リそ「いえ、そんな事は」

(‘_L’)「つまらぬ事を申しました。どうかお忘れ下さい。
      ゆっくり島の自然を満喫して・・・・姫様の為に良い曲を作って下さい」

一礼してマウスに背を向けると、将軍は広間を後にした。


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