GS1〜3&レストラン ダンスダンスダンス(桜井兄弟) 「ちゃ〜ちゃちゃちゃ〜ちゃちゃ♪で足のステップがこうで…こう!」 「めんどくせーな、手ぇ握って突っ立ってるだけでいいだろーが」 「ダメだよ、真面目にやらなきゃ」 クーラーの切られた教室で、汗を流しつつダンスの練習真っ最中。 私が一生懸命教えてあげているというのに、琥一くんはめんどくせーめんどくせーと不満タラタラだ。 「コウ、交代。次は俺の番ね」 「琉夏くんはもうフォークダンス完璧じゃない。琥一くんをなんとかしなきゃ」 「二人とも手、握りっぱなしでズルいだろ」 そりゃフォークダンスだからね。 「…待て。まあ、あれだ、もうちょっとだけ練習するぞ」 「うっわ、コウのスケベ」 「んだとコラ」 「ハーイ、ふたりともストーップ」 口論すっ飛ばしてコブシのぶつかり合いになりそうな気配を察知しサッと間に入るのにも慣れてきた。 「さ、姫。俺と踊って?」 「今俺と踊ってんだろバカルカ」 「二人とも、手、貸して?」 「喜んで」 「おらよ」 「ハイこれでOK!」 差し出された二人の王子の手をガシッと繋ぎ合わせた。 琥一くんと琉夏くんがピキっと顔を引きつらせる。 「琉夏くん器用だから、女子のパートも踊れるでしょ。私は外から琥一くんの踊りをチェックするからよろしくね!」 二人は揃ってマジかよという顔になったけど、私が笑顔でパンパンと手を叩いてリズムを取ったら渋々踊ってくれた。 ゴツい二人が無表情でフォークダンスを踊る様はなんだか物凄く迫力があった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |