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silent child


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 あれから直ぐに、二人で発表会ライブに参加することを、マリオと大和の先生に報告した。

 そして――、今日は終に、メンバーとの顔合わせの日。

 教室に通っている期間や、技術レベル、友人関係等を考慮して、先生達がメンバーの組み合わせを決めるらしい。
 大和とは同じバンドだって、知っているけど、他のメンバーのことは全く知らない。だから、凄く緊張する。さっきから、馬鹿みたいに、心臓がドクンドクンと暴れている。

 指定された時間に、スタジオの前に来たはいいけど……、緊張して入れない僕。
 心の準備がつかなくて、何度も深呼吸を繰り返す。

「憲太、もういいだろ?」
 5分くらい経ってから、焦れた大和が扉の取っ手に手をかける。
「えぇ! もう?!」
「だって、もう時間だし。行くよ、憲太。」
(待って……っ!)
ガチャッ
 大和が重たい扉を開けた瞬間――、僕の口から出る音も消えた。

「こんにちはー!」
 挨拶しながら、扉の向こうへと進む大和。僕も置いてかれないように、大和の背中に着いて行った。

 中に居たのは、マリオと……、赤髪と金髪。

「おっ! 来たな、ケンタ! ヤマト!」
「ちわー!」
 マリオは相変わらずテンションが高い。
 それに劣らず、愛想良く挨拶をしてくる赤髪。燃えるような赤い髪に、口にピアスしてるようなヤツだけど、不思議と威圧感は抱かなかった。

 もう一人の金髪。偉そうに足を組んで、下を向いていたヤツがゆっくりと顔を上げた。

「あれ? マジ?」
(え……? 嘘……?)
 僕と大和は、同時に驚いた。向こうも、いつもは吊り上げている目を、少しは丸くしているってことは驚いているんだと思う。

「石川じゃん。」
 金髪は……、同じクラスの石川君だった。

「へぇー。あの石川がなぁ、意外。」
「……そっちこそ。」
 大和に対しての返事だけど、石川君の目はこっちを向いていた。
 大和は学校でもそれらしい格好をしてくるから、ちっとも意外なんかじゃない。石川君が、意外に思ったのは、きっと僕のこと。

「なんだい! 3人とも知り合いかぁ?」
「大輝ぃー! 紹介しろよなっ! 俺だけ寂しいじゃんかぁ!」
 どうやら、石川君と赤髪は知り合いらしい。
赤髪のさっきの一言で、とりあえず自己紹介をしようってことになった。

「じゃぁまず俺なっ! 俺は、3中3年の真幸! ボーカルやってんだぁ! ヨロピクー!」
「4中3年の大輝。ドラムだ。」
「4中3年の大和。ベースやってる。ヨロシクー!」
 3人の自己紹介がテンポ良く終わって、一斉に、僕一人に視線が集中する。

「お前はー?」
 マサキが無邪気な笑顔で聞いてくる。


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あきゅろす。
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