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silent child


 「何で喋らないの?」とよく聞かれるのですが、自分でもよく分かりません。医学的にも解明されておらず、原因には色々な説があるそうです。
 唯、場面緘黙症の人間は、喋りたくなくて喋らないのではなく、“喋りたいのに喋れない”のです。それが周りに伝わらないことが、一番辛かったように思います。

 この作品の中で、場面緘黙症児の憲太(様々なパターンがありますので憲太はあくまで一例です)に対して、登場人物が様々な接し方をしておりますが、どれも良い接し方とは言えないようです。強要しすぎても悪化し、放っておいたままでも、自然と治るなんてことにはならないそうです。
 結局、専門家でもない私にも、どう接するべきかなどという難しいことは分かりません。

 もしかしたら皆様の周りにも、緘黙症の方がいらっしゃるかもしれませんし、逆に皆様の中にも、元緘黙症の方、現在も悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
 偉そうなことは、何も言えないのですが、唯一つ、“変わろうと努力さえすれば、いつかはきっと変われる”ということだけは確かだと思います。
 そういう私も、今ではすっかり克服しています。むしろ全く面影が残っていない程、お喋りになっていたりします。
 克服出来た理由も、いまいちはっきりとは分かってはおりませんが、周りに思いっきり怒られたことや褒められたこと(怒ったり、強要したり、変化に注目し、大げさに反応することは良くないこととされていますが)も、少しは関係しているかもしれません。唯の推測ですが、思い切って環境を変えたことが、やはり、一番大きい影響を与えたのではないかと思っています。

 作者自身、病気を理解し切れてはいませんが、憲太の心情として、場面緘黙症児の気持ちを表現してみたつもりです。
 この作品を通して、場面緘黙症に対して、少しでも何か感じるものを、皆様の中に残せていたとしたら幸いです。


 また、BL小説と言うよりも、既に普通の青春小説になりつつあったにも関わらずお付き合い下さった皆様には、本当に感謝しております。
 まだ未熟な点も多い作者ですので、今後、より良いものに仕上げられるように、少しずつ加筆・修正をしていきたいと考えております。
 もしも、ポケクリのミニメ、レビュー等を利用して感想等頂けましたら、今後の励みになります。


 最後に、重ねて御礼申し上げます。
 お付き合い下さいました皆様、本当に有難うございました。



2009年2月10日
bonbon



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あきゅろす。
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