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silent child


 まず始めに、ここまでお付き合い下さった皆様に、心からの御礼申し上げます。本当に有難うございました。
 長い間、温かく見守って下さった皆様のおかげで、1ヶ月半かけた連載の後、無事に完結を迎えることが出来ました。


 憲太と大和の関係は、友達以上の特別な関係という中途半端な形のままとなっておりますが、silent child(中学生編)はこれで終わりとなります。
 今のところは、大和の片思いといった所でしょうか。
 中学校卒業までに、カップルになることを期待していた方がいらっしゃったとしたら、非常に申し訳無く思います。
 高校生編を書くかどうかはまだ未定なのですが……、書くとしたならば、恋人という関係にまでレベルアップ出来るように、成長した大和に頑張ってもらいたいところです。


 さて、この作品のテーマですが、実は二つあります。
 まず一つ目は、【言葉の大切さ】です。
 普段意識せずに使っている言葉ですが、時に、何となく言い辛い場面、どうしても言いたくなる場面に出くわしたりすることがあります。
 言わなくて後悔したり、言って後悔したり、言われて喜んだり、言って照れくさくなったり、色々だと思います。
 それでも、「ありがとう」や「ごめんなさい」のように、たった一言だとしても、声に出して気持ちを言葉にすることは、とても大切なことなのだと思います。
 この作品を通して、改めて、言葉に関する考えを少しでも見つめ直す瞬間が生じたとしたならば幸いです。


 二つ目のテーマは、【場面緘黙症のことを少しでも知って頂くこと】です。
 緘黙症とは、話す能力があるにもかかわらず、特定の場面で継続的に発語ができない情緒障害です。症状が重篤化すると、話すことができないだけでなく、思うように動くこともできなくなります。まだまだ研究が進んでおらず、分からないことが多い情緒障害です。
(参考文献:場面緘黙症Journal http://smjournal.com/index.html)

 実を言いますと、私も元場面緘黙症児です。と言いましても、面と向かって先生にそう言われたわけでも、正式に治療を受けていたわけでも、情緒障害学級に通っていたわけでもありません。私自身が知ったのも大人になってからですし、もしかしたら担任の先生達の中にも知らなかった方々がいらっしゃったかもしれません。
 発症率は、日本では0.2%程度と言われており、世間にもあまり知られていないために、中々周りからの理解を得られずに、反抗的な態度と見なされたり、冷やかしやからかいの的になることも少なくはありませんでした。


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