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綺麗な君汚い僕

「自己満足よ」




見守るだけ。

さらけ出した言葉に返ってくるのは容赦ない言葉。

可愛げ無いことこの上ない。




「見守るくらいなら傍にいて欲しかった、…私は、あんたの傍にいたかった」




可愛げのない言葉を吐いた口から愛しい言葉が紡がれる。

それすら、痛い。

期間終了と共に終わる関係。惜しむ権利すらない、のに。




「お前の気持ちなんて関係ない。今更首を突っ込まれた所で邪魔なだけだ」

「…酷い言い種ね」

「事実だからな」




選ぶまでもなくすらすらと出てくる言葉が憎い。

昔から変わらず傷付ける事しか出来ない自分が歯がゆかった。




「突っ込んだものは仕方がないじゃない」

「…開き直るな」




これ以上傷付けないように遠ざける。何を、なんて決まっている。

愛しい君を、醜い自分から。




「繰り返すのは、嫌よ」




真っ直ぐな視線。

遠ざかりはしないと、告げる瞳。




「…お前が近付かなければ繰り返す必要もなかった」




瞼を伏せる。

それも一瞬で、再び視線を上げれば互いに憎しみ合い睨み合う。

その全てが負の感情であれば、まだよかったのかもしれない。

そこに含まれる物の温かさが、邪魔だ。

抑え込んでいた感情が蓋を押し上げて溢れだしていくようで気持ちが悪い。





「…離れてあげないわ」

「なら離れたくなる程痛めつけてやる」





吐き出した言葉に吐き気がした。













愛しい君を見守るだけで、よかった。

諦めた言葉はいらないものだと押し込んだ。

傍にいたいなんて想いも、

君を傷付けるだけの自分も、

何もかも、

















(消えてしまえばいい)



















e.

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あきゅろす。
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