赤を浴びる(神威阿/血表現有) *食堂にて 「ご、五十一皿、完食です」 ライスを淡々と平らげる神威に、隣から溜め息が漏れる。 「どうすんだよ。もうこの店、客入って来れねェぞ」 「んー、今日はなんかライスな気分」 「ライスな気分って何だ。だったらライスシャワーでも浴びてろ」 「それもイイネ。じゃあ阿伏兎、そこで待っててよ」 入り口へ歩いていき、なぜか神威は外に出る。 「お待たせ」 やっと店内に戻った声の主に顔を向けた瞬間、大量の赤い何かをぶっかけられた。 「血……じゃねェな」 「うん。トマトケチャップ」 「おいおい、また銭湯行きかよ。俺は戦闘がしてェのに」 再びぶっかけられた。 「何すんだこのすっとこどっこい!」 「つまらない冗談を言うからだよ」 「俺だってなァ、たまにはオヤジ風のダジャレの一つや二つ」 「さてと、次行こうか」 最後まで言わせてもらえず、不満げについていく。 「阿伏兎」 「あん?」 「こんなの生ぬるいや」 「そりゃケチャップだからな」 「体、本物の血で洗いなよ」 それは生き物を指す言葉。 夜兎に付きまとう性の色が、今宵も各地でしぶく。 END. 精米機を見てたら、米のシャワーってこういうことかと気づく。 20100217 [戻る] |