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色分けの意味は(桂坂)
*夜の繁華街にて

「うえ〜」

特徴のある頭が地面に着くまであと数秒。

「む。あれは」

運悪く現場に通りかかった男は、彼を助けようと手を差し出した。

「こんな所で野垂れ死んではいかんぞ。日本の夜明けはすぐそこだ」
「うう、気持ち悪いのう」
「まず顔を上げろ。新鮮な空気を吸えば生き返った気分になれる」
「こ、ここ一帯酒の匂い……」

上手く言葉が続かない酔っ払いに仕方なく肩を貸す。

「き、貴様はっ! 坂本!」

やっと顔が見れたかと思えば、相手はよく知る人物だった。

「おんし、誰じゃ」
「桂だ」
「ヅラ!?」
「ヅラじゃない桂だ」

坂本の目が輝く。

「一緒飲み行かんかヅラ! ほら、財布持っとるき」
「充分にできあがっている奴が何を言う。それより坂本、江戸に用でもあったのか」
「おりょうちゃんと遊んどったけェ」
「まあいい。俺はこの通り追われる身なのだが」

変装姿を強調する桂に首を傾げる。

「ヅラがばれたがか?」
「ばれてないヅラだ」

いつもの口調がひっくり返り、間違えた。

「とりあえず貴様も変装しろ。見つかっては元も子もない」

坂本は戦隊物の格好を無理やりさせられた。
意識が半分飛んだ状態だからか、かなり乗り気なご様子。

「イエローは俺だ」
「落ち着いて着られる赤がいいぜよ」
「レッドは先約がいるからそれで我慢しておけ」

最終的に着せられた色は……レモン色。





END.


次回に続け。


20081121

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あきゅろす。
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