きっと引き取ってもらえない(近妙花)
*スナックすまいるにて
「ちょうど良かったわ花子ちゃん。あのゴリラの相手しててくれる?」
「ええけどお妙ちゃんの客、今日はあのゴリラだけやし、うち他の客おるで」
「つべこべ言わずに早く行けよ」
「ま……任せとき」
花子は苦笑いで答えた。
「あれェ、お妙さんは?」
「ト、トイレちゃうか」
テーブルに着くやいなや問われ、適当にしのぐ。
いい具合に酔いが回っている近藤の相手は疲れるのだ。
「まだ飲みてェな〜」
「自分で注ぎます?」
「あ〜」
真っ黒い瓶を手に取って、虚ろな目で蓋を開ける。
「なんや変な匂いするわ」
花子が気づいた頃にはもう手遅れの状態だった。
突然みんなが倒れだす。
「あら、花子ちゃん生きてたの」
「あんた何してん!」
そこにお妙が戻ってくる。
「動物園から逃げ出したゴリラを仕留めたら報酬金がもらえるって聞いたのよね」
「全員倒してどないすんねん! うちにも報酬金く」
「くれ言われてもやんねェぞ」
近藤=ゴリラの図式はもはやお約束なのだろう。
END.
ドロドロ系になるはずがゴリゴリ系に進化した。
20080708
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