はんしんふずい。
いちゃいちゃねぼすけ
拍手文。
「…なにしてんの、春」
「なにって朝ご飯。もう腹減って死にそうだから」
昨夜、透馬といちゃいちゃしまくった春は体力という体力を使い果たし使い物にならない身体をなんとか動かして朝ご飯兼昼ご飯であるオムライスを作っている。即席なため具材は最低限だが、食べられたらいいとご飯を炒め皿に移す。
そんな春を寝ぼけ眼でぼへっと見つめる透馬は寝癖があっても不思議なほどイケメンだ。無防備な姿を晒したまま透馬は何を思ったのかのそのそ春に近付き、背後から抱き付く。
「…俺も食べる」
「ああ、ちゃんと二人分だから心配すんなー。ほら、出来たから食べよ」
「おう」
「はいはい歩いてー。そこ座る」
おんぶおばけ状態の透馬を引きずりソファの前に座らせる。流れるように春は足の間に収まり机にどんっ、とオムライスを置く。
「いただきまーす」
「いただきます…」
春はすぐさまオムライスにかぶりつき、透馬はなぜか春の首筋に噛み付く。自身が付けた鬱血痕の上をあむあむ甘噛みする透馬を春はたしなめも、ましてや止めもせずただオムライスを食べる。
半分ほどか、春が食べ終えた頃にようやく覚醒した透馬が首筋から離れる。
「春」
「あ?ん、」
後ろから顔を掴まれキスされた春は甘んじて透馬の行為を受け入れる。ちゅうちゅう舌や唇を吸われ気持ちよさに任せていれば、満足したらしい透馬の唇が離れた。
「…起きた?」
「起きた。ばっちし。だからオムライスくれ」
「ぷっ。どうぞどうぞ」
春は笑って体勢を変える。今度は透馬が足を伸ばしてその上に頭を乗せた春が寝転がる。同時に残りのオムライスを透馬ががつがつ食べ始めて、春は苦しくならない程度に透馬のお腹に顔をすり寄せた。
寝起きがすこぶる悪い透馬。
反対に寝起きがすこぶる良い春。
大体起きた時は今のようなやりとりを繰り返すのは学生時代と変わらない。
その普遍的な繰り返しを実感して春はむずむずしつつも微笑みながら瞼を閉じて呟いた。
「幸せだー」
引っ付いた腹が揺れて頭上から笑い声が降る。
「俺も幸せ。ごちそーさん」
甘い声が耳をくすぐって、頭を撫でる手の平が春を包む。
二人の休日は、始まったばかり。
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