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134.援護する者達 ***


「ま、待て!!」

「きっこえな〜い♪」



ザクロの静止を振り切り、ブルーベルはマントの下に隠した異端の匣を露わにさせる。そして、マーレリングに炎を灯し、雨の炎を注ぎ込んだ。



「チャップーン♪ショニサウルスのパワーも掛け合わされたブルーベルの大技を見せてあげるわ」



修羅開匣により、人魚のような姿に変化したブルーベルが、右手を高く空へとかざす。
瞬間、彼女の頭上に雨の炎を纏った巨大なアンモナイトが出現した。

それを目にしたザクロが、慌てて声を上げる。



「ば、バーロー!此処に居るのはボンゴレの連中だけじゃねーんだぞ!?」

「にょ?どういう事よ」



ブルーベルが首を傾げた時、辺りに充満した煙が風で流され晴れて行く。
それと同時にブルーベルの視界が開け、彼女は自身の目に飛び込んできた光景に…言葉を失った。



「…歌、姫…」



仲間を庇うように一人佇む…私の姿を目にして。



「う、嘘!!??な、何で歌姫が此処にいるのよ!」



それに気付いた時には、巨大な貝がブルーベルの手元から放たれた後。
顔面を蒼白させる、ザクロとブルーベル。
それは私の後ろで倒れる獄寺さんも同じだった。



「お、ま…何やって…」

「………」

「この馬鹿!逃げろっ」



先程の攻撃は守りの歌で辛うじて防ぐ事が出来たが、今度の攻撃は明らかに規模が違いすぎる。
防ぎ切れたとしても、ただではすまないだろう。



「逃げろっ、逃げろって!逃げてくれ名前!!」



獄寺さんの悲痛な叫び声を聞きながら、私は両手を胸の前にかざし、大きく息を吸い込んだ。



(必ず守ってみせる)



巨大な貝が目前に迫る。



「名前ー!!!!」



一層、大きな獄寺さんの悲鳴が森中に轟(とどろ)いた、次の瞬間だった。



『ガァオ!!』



耳に届いた獣のうなり声。それと同時に、私の真横を何かが掠めて行く。

その何かはアンモナイトに激突し、直後、貝は石化と化して砕け散った。





「…ガン首、揃ってんじゃねーか、ドカス共」





聞き覚えのあるその声に、私は背後を振り返る。



「…XANXUS…さ、ん」



予想すらしなかった人物の参戦に、呆然と立ち尽くす私。そんな私の隣に足を進めると、XANXUSさんは前を見据えたまま低い声で、こう告げた。



「…沢田に伝えろ。ボンゴレ9代目直属の独立暗殺部隊ヴァリアーは、ボンゴレの旗の元、ボンゴレリングを所持する者共を――援護する」



援護する者達


(それは何より心強い言葉)


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あきゅろす。
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