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133.Gの弓矢 ***


次は…。ザクロが獄寺を見る。咄嗟にフレームアローを構える獄寺。

しかし、ザクロは口角を吊り上げるだけで襲いかかっては来なかった。



「?」



訝しげな顔をする獄寺を余所に、ザクロが動き出す。奴が向かったのは、



「ラル!!」



地面に倒れる仲間の元。



「止めだ、バーロー!」



振り上げた拳がラル・ミルチに振り下ろされた。


ガ!!


確かに拳に衝撃はあった。だが、感覚が違う。
疑問に思い、ザクロが拳の先に視線を向けると、



「こ、これはっ」



ラル・ミルチを庇うように光の壁が出現していて。



(この力は、まさか!?)



獄寺は辺りを見渡す。
そして、少し離れた木々の合間に、長い黒髪をなびかせ、颯爽と佇む、1人の女の姿を発見した。

誰かなど聞かなくても分かる。獄寺は叫んだ。



「何してやがる名前!」

「歌姫だと!!??」



予想もしなかった人物の乱入に、ザクロの気が一瞬だけ削がれた。
その隙を見逃さず、今度は名前が声を上げる。



「獄寺さん、今です!」



その声にハッとし、獄寺は構えたフレームアローをザクロに向け、発射。



「果てやがれ!」



獄寺の攻撃は、見事ザクロを直撃。しかし、ザクロはその攻撃を片手で受け止めていたのだ。



「気持ちいいシャワーじゃねーか。歌姫の乱入に驚かされたが俺には好都合だ!大事なお姫様を奪われたくなけりゃあ、とっととボンゴレ匣とやらを出しちまった方がいいんじゃねーのか?」

「言われなくてもやってやらァ!行くぞ、瓜!」



――形態変化だ!!

名前はラルの元に駆け寄ると、彼女の身体を支え、起きあがらせる。

そして、嵐猫と融合し、変化を遂げる、獄寺の武器を静かに見つめた。



「あれが獄寺さんの…」

「…嗚呼。ボンゴレT世の幼馴染みであり、右腕。プリーモと共にボンゴレの元となる自警団を組織した男。それが初代嵐の守護者だと聞いた」



奴は仕事では専ら扱い慣れた銃を使ったが、T世からの直接の依頼と、もう一人の幼馴染み…初代歌姫の関わる案件のみ、プリーモから譲り受けた“この武器”を使い、負けなしだったと言う。

その武器こそが、荒々しく吹き荒れる疾風と謳(うた)われた――、



Gの弓矢


(ボンゴレ守護者の誇りに賭けて必ず敵を討つ)


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