133.Gの弓矢 **
何故なら彼らの前に現れたのは、赤黒く変化した肌。鋭く尖った爪。そして長い尻尾の生えた、この世の生物とは思えない化け物だったのだから。
「トカゲってレベルの迫力じゃねーな」
「当たりめーだバーロー!俺に掛け合わされた匣兵器は確かに地球上の生き物ではあるが、6500万年以上前の巨大な怪物」
「まさか――恐竜!?」
獄寺が声を上げた。
「そうだ。ミルフィオーレの科学力によって、DNAさえ存在すれば現存しない生物をも匣かする事に成功したんだ!」
まさかそんな事が!3人はグッと歯を食いしばる。
ザクロは愉快そうに口元を綻(ほころ)ばせると物凄い速さで移動を開始。
「先ずはミルフィオーレの裏切り者からだぜ!」
γの目前に降り立つと、これまた凄まじい速さで襲いかかって行った。
間一髪でザクロの攻撃を避ける事が出来たγだが、その驚異的なスピードに、表情を強張らせる。
「中々いい反応だぜ」
余裕を見せるザクロに対し、ラル・ミルチがガントレットで応戦するが、彼女の攻撃は全て弾かれ、掠り傷さえ負わせる事が出来なかったのだ。
――と、その時。ザクロに向かって二つの影が迫る。雷の炎を纏(まと)ったコルルとビジェット。γの匣兵器、雷狐だ。
二匹は一直線にザクロへと向かって行き……、
バリバリバリ!!
衝突と同時に上空へと緑の火柱が舞い上がった。
衝突音は幾重にも木霊し、森中に響き渡る。
裏コードの技を使った、電光のγ渾身の一撃だった。
しかし――、
『キュー!!』
弾き飛ばされたのは、コルルとビジェット。
二匹を咄嗟に目で追うγ。
刹那、γの前にはザクロが立ちはだかり、
「うわぁぁあ!!」
ザクロの攻撃を受けたγの身体が上空を舞う。
「バーロー!何が裏コードの技だ。知ってる技だろうが、知らなかろーが、効かなきゃ意味ねんだよ!!」
ザクロは更に速度を加速させ、獄寺達の周りを旋回し始めた。次に奴が狙いを定めたのは、ラル・ミルチだ。
「ザブザっ、防御だ!」
咄嗟に雲ムカデでシールドを作るラル・ミルチ。
だが、超人と化したザクロ相手に効く訳もなく、
「がはっ」
γ同様、ラル・ミルチも一撃で地に崩れ落ちた。
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