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132.笑顔の元気


「最後の戦い?」



獄寺さんの問いにユニちゃんは「はい」と頷き、白蘭が焦っている事、そしてこの戦いに全てを賭けてくる事を強調した。



「その予知は確かなんだろうな」



ラルさんの問かけにもユニちゃんは大きく頷く。



「勝敗は予知出来ないのかい?」

「…はい。私が昔から見ていたのは、名前様や皆さんとこうして話す光景と、この森で戦いが始まる様子までです」

「――あ、あの!?戦いに勝ったら私達…元の世界へ戻れるんでしょうか」



それはきっと過去から来た仲間達にとって最も重要な事柄なのだと思う。
質問したハルさんも、そして周りで聞いている仲間達も、皆、息を飲んで彼女の言葉を待った。
皆の心情を感じ取ったのか、ユニちゃんは安心させるように笑顔を作る。
そして深く深く頷いた。



「白蘭は他のパラレルワールドの自分と考えや知識を共有できますが、裏を返せば全て繋がっていて“実体は一つ”しかないと言う事なんです」



つまり、一人を倒せば全てが消滅するという事。



「この世界で白蘭を倒せば全パラレルワールドの白蘭は消えて、もう怖ろしい未来の待つ事のない、平和な過去へ帰れる筈です」



それを聞いた女性陣からは喜びの声が上がる。

私も安堵の息をこぼし、傍らに座る沢田さんを振り返ろうとした。
「良かったですね」そう、声をかける為に―…。



「っっ」



でも私は声をかけられなかった。
何故なら、振り向いた先に居た沢田さんが、恐いくらい真剣な瞳でこちらを見ていたから…。



「さ、わだ…さん」



ようやく声を発する事が出来たのは、その数十秒後の事だった。私の声に反応するように沢田さんの肩がビクリと揺れる。



「えっ、あ、ごめん!」

「い、いえ」



あまりに不自然な彼の反応に私までもが吊られて、口を閉ざしてしまう。



「「………」」



妙な沈黙が二人の間に流れていた。――しかし、



「Σああ!考えてみたら夜明けって殆ど時間ないじゃん!作戦何も考えてないし、ヤバイよー!!」



突然、乱心した沢田さんに、クルリと瞳を丸くする私。
でも、今目の前で慌てふためいているのは何時も通りの沢田綱吉さんだ。
それにホッとして、私はクスクス笑みをこぼす。


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あきゅろす。
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