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131.決戦前夜 **


彼女の言葉に私は瞳を丸くし、ユニちゃんはニコリと笑みを浮かべる。



「ユニ、お前はアルコバレーノの誕生の事は知っているのか?」

「…はい。記憶の断片に、存在しています」

「ルーチェは不思議な“直感力”を持っていた。ユニ、お前にもあるのか?“先を見通す力”が」

「先を見通す力って!?」



傍らにやって来た沢田さんが驚きの声を上げた。



「嘗てはありました。でも近頃は“弱く”なっています。――でもそれは“白蘭も同じ”です」

「白蘭さんも!?」

「ど、どういう事?」

「彼も自分の能力が弱っていくのを感じています」



白蘭の能力と言えば、パラレルワールドにいる自分の知識を共有できる能力の事だ。
それが弱まっている?



「今は相当体力を消費する上に、一度に一つぐらいの事しか知る事が出来ない筈です」

「おそらく白蘭の能力で川平不動産は見つかった筈だぞ」



リボーンさんは言う。



「だとすれば、暫くは力を使えない筈です」

「でも何で今まで出来た事が出来なくなるの?」



沢田さんの疑問は尤もだった。私自身も同じ疑問を抱いてしまったから。
疑問符を浮かべる私達にユニちゃんが返してくれたのは、予想を上回る信じられない答えで…。



「私は――、力の枯渇と衰えだと思っています」

「な!!??お、衰えって…っ。ユニはまだオレ達と同じで……若いじゃん」

「人は生まれた時から死に向かって生きて行く。遅かれ早かれ自然な事です」



10代の少女の口から出た言葉とは思えなかった。
けれど、それを聞いたラルさんだけは「確かに」と何故か納得していた。



「代々、大空のアルコバレーノは短命だからな」



それから彼女は確かにそう呟いた。それを聞いたリボーンさんとγさんが、微かに肩を揺らす。



「白蘭が私をここまで必死に欲する理由も、そこにあります。一刻も早く7の真の力を引き出し、自分の物にしたい」



だからこそ白蘭はとても焦っていると、ユニちゃんは迷わず言い切った。



「今の白蘭は何をするか解りません。私を手に入れる為に――いいえ。彼の最終目的である名前様を手に入れる為に、全てを賭けてくるでしょう」

「だが自分だけでなく白蘭の方も力が弱まってるって何で解ったんだ?」


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あきゅろす。
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