[携帯モード] [URL送信]
130.大空の助言


魔レンズ越しに睨まれた者は、呪われ、次の日に海に浮かんでいたと言われる。それが初代霧の守護者――D・スペード。

裏切り者と称されるデイモンのボンゴレ匣を使用したクロームさんの的確な援護もあって、沢田さんと対峙していたトリカブトは、既に消える事さえ出来なくなっていた。

お陰でトリカブトの幻覚は解け、全員地面へ降り立つ事が出来た私達。



「超直感さえ効かない幻覚を破るとは…。流石ボンゴレ匣の武器ですね」



感心したように呟くバジルさんに頷きながら、私は遥か上空を見上げる。

上空では、ナッツ君の放った咆哮により、トリカブトの羽根が石化。粉々に砕け散る最中だった。

私達と同様に、その様子を眺めていたブルーベルが、頬を膨らまし、腹立たしそうに喚き散らす。



「むぅー…。聞いてない、ボンゴレ匣なんて!!」

「厄介なのは匣兵器より彼等の戦い方です。手伝いましょうトリカブト」



連係して戦うと言う、ボンゴレの戦闘方法を脅威に感じたのだろう。慌てて桔梗が参戦しようとするが――、時既に遅し。

桔梗の後方から無数の銃弾が飛び交い、彼の行く手を阻む。見るとそれは、バジルさんの雨イルカに乗った、最強の赤ん坊、リボーンさんだった。

彼は一直線にユニちゃんの元へ飛んで行き、桔梗との前に立ちふさがる。



「これがボンゴレファミリーの戦い方だぞ。ボンゴレファミリーの強さは、個々ではなく、ファミリー同士の連係にある」

「その通りだ!!」



次いで私と桔梗の間に立ちはだかったのは、傷だらけの笹川了平さんだ。



「仲間のピンチの時こそ、オレのリングは極限に燃えるー!!」

「もうアッタマ来た!!」



刹那、ブルーベルがローブをはぎ取り、リングに炎を灯そうとする。それを見た私達の間には、彼女も修羅開匣をするのかと緊張が走った。でも、



「待ちなさい」

「何で止めんのよ桔梗」



何故か桔梗がそれを阻止。ブルーベルの機嫌は、益々悪くなる一方だ。



「奴らを全滅させるのは容易ですが、名前様を確実に、無傷で白蘭様の元へお連れするには、もう一戦力ほしい所です」

「な…っ、だったらどうすんのよ!!」

「一旦退きます。体勢さえ整えば、簡単に事を運べます」

「やだやだや〜だ!!!」



ジタバタと腕の中で暴れるブルーベルに、あれを見なさいと桔梗が示す。

その先に見えたのはピクリとも動かず上空に漂ったままのトリカブトと、そんな相手にX BURNERを放とうとするボスの姿。


[←][→]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!