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128.姫と騎士の再会 ***


「ランボ?」



ニヤリとランボが笑む。



「ランボさんはね…今までみたいに外から攻めても逃げられるのが嫌だから、内側に――…」



“入り込んだんだよ”

瞬間、ユニの背後に姿を表した仮面の男。それは紛れもなく、チョイスで綱吉が戦った、真6弔花のトリカブトだった。

一体どうなっているのか。一同が混乱する中、リボーンが声を上げる。



「――あの時だ。山本達が出る時の隙をついて、寝ているランボに化けて、進入されたんだ!」



現にランボは口を塞がれ、ソファの下に隠されていた。しかし、それに気付いた時には手遅れ。

ユニの身体を抱いたトリカブトが、物凄い速さで出入口へと飛行して。



「逃がさんぞ!!」



阻止しようとした了平達が、トリカブトの前にたちふさがるが、



『ぐわぁ!!!』

「みんな!!」



相手は全てをなぎ倒し、易々と通過。倒れ込む獄寺達の元に綱吉が駆け寄った刹那、上空に漂う3つの影が!



「あいつらは!!」



“真6弔花”



「ハハン、ここは我々に任せてユニ様をお連れしなさい、トリカブト」

「沢田さん!おじさま!」

「さあ、こっからはブルーベルが相手よ!」



ブルーベルがリングに炎を灯し、匣を開匣。中から飛び出して来た貝のようなものが、一直線に綱吉達へと襲いかかる。



「くっ」



咄嗟に獄寺が匣を取り出し、SISTEMA C.A.Iの盾を展開。何とかブルーベルの攻撃は防ぐ事が出来たが、敵はもう一人。



「その程度のシールドでは防ぎきれませんよ」



桔梗の放った攻撃が、獄寺達へと向かって行く。


ドドドドド!!


幾度も繰り広げられる桔梗の攻撃に獄寺は顔をしかめた。負傷した自分では、これ以上奴の攻撃を回避する事は不可能。

ほんの一瞬、獄寺の脳裏に最悪の状況が浮かびかけた、その時。



「――…」



辺りに美しい旋律が響き渡った。獄寺はハッとし、聞き覚えのあるその声に顔を上げると、そこに立って居たのは……。



「――良かった。何とか間に合いましたね」



守りの歌を発動させながら、ホッと安堵の表情を浮かべる名前の姿が。

何故名前が此処に?彼女は雲雀達と並中に居る筈。それなのに何故??

雲雀の気が変わり、こちらの応援にでも来たのだろうか?咄嗟に周囲を見回すが、名前以外の姿は確認できなくて…。



「お前まさか一人で!?」



状況を把握した獄寺が、声を荒げた。しかし名前はフルリと首を横に振り、微笑みを浮かべる。



「いいえ、私一人ではありませんよ」



名前がそう告げた直後の事だ。ユニを連れ去ろうとしていたトリカブトめがけて、何かが激突。

支えを失ったユニの身体が落下するより早く、彼女の身体がフワと浮いて誰かに抱き上げられる。



「お怪我はありませんか?……姫」



そして自分を抱き上げている人物を目にした瞬間、ユニは涙を浮かべた。

そう。ユニを助けた人物こそが、名前が共に、この場へ赴いた人物。



姫と騎士の再会


(電光の――…γ)


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