「ランボ?」
ニヤリとランボが笑む。
「ランボさんはね…今までみたいに外から攻めても逃げられるのが嫌だから、内側に――…」
“入り込んだんだよ”
瞬間、ユニの背後に姿を表した仮面の男。それは紛れもなく、チョイスで綱吉が戦った、真6弔花のトリカブトだった。
一体どうなっているのか。一同が混乱する中、リボーンが声を上げる。
「――あの時だ。山本達が出る時の隙をついて、寝ているランボに化けて、進入されたんだ!」
現にランボは口を塞がれ、ソファの下に隠されていた。しかし、それに気付いた時には手遅れ。
ユニの身体を抱いたトリカブトが、物凄い速さで出入口へと飛行して。
「逃がさんぞ!!」
阻止しようとした了平達が、トリカブトの前にたちふさがるが、
『ぐわぁ!!!』
「みんな!!」
相手は全てをなぎ倒し、易々と通過。倒れ込む獄寺達の元に綱吉が駆け寄った刹那、上空に漂う3つの影が!
「あいつらは!!」
“真6弔花”
「ハハン、ここは我々に任せてユニ様をお連れしなさい、トリカブト」
「沢田さん!おじさま!」
「さあ、こっからはブルーベルが相手よ!」
ブルーベルがリングに炎を灯し、匣を開匣。中から飛び出して来た貝のようなものが、一直線に綱吉達へと襲いかかる。
「くっ」
咄嗟に獄寺が匣を取り出し、SISTEMA C.A.Iの盾を展開。何とかブルーベルの攻撃は防ぐ事が出来たが、敵はもう一人。
「その程度のシールドでは防ぎきれませんよ」
桔梗の放った攻撃が、獄寺達へと向かって行く。
ドドドドド!!
幾度も繰り広げられる桔梗の攻撃に獄寺は顔をしかめた。負傷した自分では、これ以上奴の攻撃を回避する事は不可能。
ほんの一瞬、獄寺の脳裏に最悪の状況が浮かびかけた、その時。
「――…」
辺りに美しい旋律が響き渡った。獄寺はハッとし、聞き覚えのあるその声に顔を上げると、そこに立って居たのは……。
「――良かった。何とか間に合いましたね」
守りの歌を発動させながら、ホッと安堵の表情を浮かべる名前の姿が。
何故名前が此処に?彼女は雲雀達と並中に居る筈。それなのに何故??
雲雀の気が変わり、こちらの応援にでも来たのだろうか?咄嗟に周囲を見回すが、名前以外の姿は確認できなくて…。
「お前まさか一人で!?」
状況を把握した獄寺が、声を荒げた。しかし名前はフルリと首を横に振り、微笑みを浮かべる。
「いいえ、私一人ではありませんよ」
名前がそう告げた直後の事だ。ユニを連れ去ろうとしていたトリカブトめがけて、何かが激突。
支えを失ったユニの身体が落下するより早く、彼女の身体がフワと浮いて誰かに抱き上げられる。
「お怪我はありませんか?……姫」
そして自分を抱き上げている人物を目にした瞬間、ユニは涙を浮かべた。
そう。ユニを助けた人物こそが、名前が共に、この場へ赴いた人物。
姫と騎士の再会
(電光の――…γ)
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