『雲雀恭弥が真6弔花のデイジーを倒した』その一報は、瞬く間に綱吉達の元へと届けられた。
「それは本当ですか!?」
ディーノから報告を受けた綱吉は驚愕し、そんな綱吉の様子を不安げに眺めていた仲間達に真相を告げると、全員からは直ぐに歓喜の声が上がる。
『恭弥はこっちに残るって言うし、俺も直ぐに動ける状態じゃねぇんだ』
「ディーノさん、まさか怪我したんですか!??」
『情けなねぇ話だけどな。でも、そのお陰で名前に膝枕もして貰っちまったし、これも“怪我の功名”って奴かもな』
「え?ひ、膝枕!??///」
聞き捨てならないディーノの言葉に、綱吉は動揺する。それから詳しい説明をして貰おうと、再度問いかけようとのだが、
『ん?何だよ恭弥!?』
何やら通信機の向こうの様子が騒がしいような?
『Σちょ、ちょっと待て!何でトンファーを構えて寄って来るんだ!??』
『…そんなの決まってるよ。ソコを退かせる為』
『ま、待て恭弥っ、早まるな!!話せば分かる!?』
『…煩いよ。ソコは僕の場所だ。早く退いてよ』
『待てっ、待てって!!』
一体並中に居る二人の間で何が起きているのか?綱吉が首を傾げた時、無線から響いて来たのは、
『Σぎゃあああああ!!』
何とも悲痛なディーノの叫び声で…。以降無線もプツリと途切れ、連絡が取れなくなってしまう。
「ち、ちょっとディーノさん?ディーノさん!!」
まさか二人で名前の膝枕の奪い合い!?いやいやっ、それよりも、せめて名前と話をさせてから通信を切って下さい!綱吉は大きく溜息を洩らす。
だけど、全員無事のようで本当に良かった。
「取り敢えず、これで当面の危機は去ったな」
「ええ、そうね。名前も無事のようだし、ユニももう見つからないわ」
リボーンとビアンキの言葉に、ユニは満面の笑顔で「はい」と答える。すると、ある人物が一言。
「――じゃあ、あたしはこの辺で失礼するよ」
それは、綱吉達を匿い、追って来た、真6弔花のザクロを欺(あざむ)いた、謎の男……川平だ。
「暫く旅に出て店は空けるから、好きなだけ自由に使うと良い」
「ちょっ、急に…!?何を言っているんですか!」
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