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126.気まぐれな 雲 **


――俺達の常識を遥かに越えてやがる。私はぎゅっと両手を握り締めた。



「修羅開匣は能力の掛け算なんだよ」



デイジーは言う。



「匣アニマルの持つ特殊能力と、人間の能力が掛け合わされて、あらゆる生命体のリミッターを越えた能力を生み出す事が出来るんだよ。だから」



“こんな事も出来る”。

デイジーがそう口にした瞬間、雲雀さんの手錠に絡まったままのちぎれた腕から、デイジーの身体が再生し始めたのだ!

しかも雲雀さんの身体を押さえつけ、その首を締め上げようとしていて。



「雲雀さん!!」



私が声を上げると同時に、雲雀さんは、右手に持ったトンファーで、デイジーの分身をなぎ払う。

デイジーは尚も続けた。



「残念だけど、君のボンゴレ匣は僕チンと相性最悪さ。もう諦めて名前様を渡しちゃいなよ」

「……いらないな」


カシャン。刹那、投げ捨てられるトンファー。



「その程度なら武器(トンファー)はいらない」



そして、手にした手錠をクルクルと回し出す雲雀さん。けれど可笑しい。いつの間にか、手錠の数が2つに増えている。



「…校舎を壊した罪と、並中のモノを奪おうとした罰で…君を逮捕する」



いや違う。2つでもない。あれは――4つ!?



「…抵抗は認めないよ」

「ふっ、面白い手品だね。でも手錠を幾つ増やした所で――同じだよ!」



瞬間、デイジーが再び雲雀さんに襲いかかった。

再度繰り返される凄まじい攻防。しかも先程よりもスピードが増している。私では追いきれない。

――その時。


ガシャン、ガシャン。


雲雀さんの手錠が又してもデイジーを捕らえた。



「ふふ、無駄だよ。手錠を幾つ填(は)めようが、同じ事の繰り返しだ」

「…僕も同感さ」



――“10や20”ならね。

刹那、ボンゴレリングが眩い光りを放ち出し、それと同時に、デイジーの手首に填(は)めた手錠が物凄い勢いで増殖して。



「ぼぼぼぼ!!??」



気付いた時、デイジーの全身が手錠でできた拘束具に覆われていたのだ。

デイジーが自切するスピードを上回る雲属性の増殖!それにしても、こんな形態になる何て…。



「……君…死にたがってたみたいだけど、そんな甘えは許さないよ…」

「ぇ?」


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あきゅろす。
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