123.嵐の前の静けさ
「や、やった!!並盛に、ワープ出来たぞ!!!」
ワープと同時に、何故か木の枝で逆さ吊りになっていた沢田さん。でも、
ヒュー…ン、ドスン!
喜びの声を上げた直後、彼は見事に木から落下。
「沢田さん!!」
「大丈夫っスか!?」
私と獄寺さんが慌てて声を掛ける。それに対し「大丈夫」と頷きながら答える沢田さんだったが、
「そうだ!基地ユニットの中のみんなは…!?」
『心配すんな。こっちも全員揃ってるぞ』
無線から響いたリボーンさんの声に安堵の息を零す。
『大丈夫か、正一』
『…嗚呼。それよりユニさん。…あの超炎リング…転送…システムは…他にも…あるのかい?』
『いいえ。確か“あれ一つ”の筈です』
『よし、良いぞ!直ぐに転送システムを破壊するんだ!!そうすれば、敵は追って来れない筈だ!』
入江さんの話に耳を傾けつつ、私は上空に漂う転送システムを見上げた。
あれを破壊しろと言うが、一体どうやって??
「でしたら10代目、オレに任せて下さい!!」
その声に私はハッと視線を向ける。名乗りを上げたのは獄寺さんだった。
彼は瞬時に匣を取り出し、SISTEMA C.A.Iを開匣。
「炎が吸収されるんなら、新兵器の実弾を使います!――ターゲット・ロック。果てろ!!!」
“フレイム・ミサイル”
獄寺さんの声と共に発射されたミサイルは、勢い良く空へと舞い上がり、
ドガーン!!
見事、命中。浮遊する事が出来なくなった装置はバランスを失い、民家のない山へと落ちて行く。
これでひとまずは安心……と、言う事だろうか。
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- 決 戦 編 -
『所で、我々は今まで何処に行たんでしょう?』
『チョイスが行われていたのは無人島です』
ユニット内で行われている会話が、無線を通し、私達にも聞こえて来る。
ユニちゃんの話によると、白蘭は誰にも発見されていない無人島を改装し、アジトの一つにしたのだそうだ。それは、この並盛からはずっと遠くにあると、彼女は語った。
まだ発見されていない無人島がある事に驚かされたが、パラレルワールドを自在に行き来できる白蘭の能力を持ってすれば、容易い事に違いない。
ジジジー…。
――と、その時。僅かな異変に私は気付く。ゆっくりと山に向かって落ちていた転送システムの様子が、何だか可笑しい。
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