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116.未来の真相 **


そんなある日、突然、ランボさんが家に飛び込んで来て。その時、ランボさんを助けたお礼にと、ボビーノファミリーから木の箱を貰ったんだ。

でも貰う訳にはいかないから、それを返そうとしたんだけど、色々あって箱を返しそびれてね。僕がずっと預かっていた。

箱の中にはランボさん宛ての荷物も入っていて。その中の一つが『10年バズーカの弾』だった。
でも、それが何なのか知らずに、誤って足に落としてしまったんだ。

そして気付いた時、僕はアメリカの工科系の大学に居た。――10年後の自分と入れ替わってね。

最初は訳が分からなかったよ。けれど、目の前の机に置かれた自分の学生書と、10年後の日付の入った新聞を見て悟った。


――自分は『タイムトラベル』をしたのだと…。


でも、だからと言って直ぐに受け入れられる訳がない。パニックに陥った僕は荷物を持って、その場を飛び出したんだ。

当てもなく走り続け、漸(ようや)く外に出る事が出来た時、僕はそこで一生忘れる事のない、運命の出会いを果たすんだ。


ドン!



「うわあ!!!」

「ご、ごめんなさい!!」




その時僕がぶつかった人こそ、その世界の…貴女だ。――名前さん。

貴女はその大学に通う友人の誘いで、日本から遊びに来ていたらしくて。



「大丈夫ですか!?……て、日本人の、男の子?」




子供の僕を見るなり、それはそれは驚いた顔をしていたよ。でも、直ぐに笑顔を浮かべて微笑みかけてくれたくれたんだ。



「怪我はないですか?」

「は、はい!!」

「そう。良かった。でも念の為に、これを…」

(何?絆創膏?)

「女の子用で悪いんだけれど、今はこれしか持っていなくて。擦りむいた所があったら使ってね」




そう言って僕に絆創膏を手渡すと、貴女は颯爽と去って行った。長い黒髪を靡(なびか)せながら。

あの時の事は今でも忘れられない。貴女の笑顔も、優しさも、ずっと僕の心に焼き付いているよ。



でもどんな因果だろうね。運命の出会いは一つだけでは終わらなかった。

そう。名前さんと出会った、その直ぐ後に、



「この学生書は君のかい?」




僕はその世界の白蘭さんとも会ってしまうんだ。



「その年でもう此処に来てる何て、かなり優秀だね、入江クン……ん?…、の、弟クンかな?」



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