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108.因縁の対決


「ボンゴレファイッ!」

「「「「おお!」」」」



ボンゴレの基地ユニット内。参加者である5名のメンバー達は、山本の提案により、円陣を組んで団結力を強固していた。

気合いを入れた所で、今回の作戦について、唯一の経験者である入江が静かな口調で語り始める。



「敵の位置はお互いに、炎レーダーでしか把握できないんだ。……そこで、僕とスパナは此処でデータを分析して指示を出すので、君達は攻守に別れて戦って欲しい」



先頭スタイルから獄寺をディフェンスに置き、綱吉と山本で敵を攻めるのが一番だと入江は言う。



「それから、みんな分かってると思うけど、今回の戦い……何よりも優先されるのは名前さんの奪取だ。敵より先に必ず彼女を見つけて欲しい」

「うん!勿論!!」

「んな事、てめーに言われなくても分かってんだよ!!」

「よっしゃ、行こうぜ」



山本のかけ声により、綱吉達は戦闘準備に入った。この日の為に特訓した特殊なバイク。それらに跨り、指示を待つ、若きボンゴレファミリー達。

心臓の音は有り得ないくらい早くて、バイクのアクセルを握る両手も、僅(わず)かに汗ばんでる。



『ボンゴレ基地(ベース)、第一級・戦闘準備』

『システム・オール・グリーン。全機発進スタンバイ。ロック解除』

『進路クリア。ゲート・オープン!!』



次第に前方から光が射し込み、閉ざされていたゲートが開かれて行き、



『全機、発進!!』



入江の合図と共に、綱吉達は一斉に走り出した。



(待ってて、名前さん)



愛しい姫君を目指して。










◇ ◇ ◇


一方その頃。私はチョイス開始の合図と同時に、近くの路地裏に身を潜め、これから自分がどうすべきなのか、思案を巡らせている最中だった。



(好きなように逃げ回れ……と、言われたけれど、やはり、逃げているだけでは駄目だと思う)



自分に出来る事をやると決めたのだから、沢田さん達任せにするのではなく、私に出来る事を探して自ら行動しないと。

少しだけ顔を覗かせ、辺りの様子を窺う。大丈夫。人の気配はない。私は路地裏から飛び出した。



(私の位置はレーダーでは感知されないとチェルベッロの人が仰っていたから、隠れて動けば見つかる事はない筈です)


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あきゅろす。
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