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107.バトル・スタート ***


観覧席から参加者への通信は禁止とされ、観覧席へは、各種に設置されたカメラでの映像・審判であるチェルベッロ、それと見方からの音声のみ。



「尚、観覧席は防御壁でガードされておりますが、観覧席への攻撃は反則とし、負けとなります」



その言葉に私はホッと胸を撫でおろす。良かった。皆さんが危険にさらされる心配はないみたい。



「また、歌姫様に関しましては参加者と同様、ランダムにフィールド内に転送させて頂きます」

「歌姫様を見つけ、先に捕らえた方に彼女の所有権が与えられる事になります。…宜しいですね」



私は無言で頷く。



「では、3分後に開始します。用意して下さい」










◇ ◇ ◇


沢田さん達とまともに話をさせて貰えないまま、私はチェルベッロの二人と共に、フィールド内の何処かへと転送された。



「先程も言いましたが、3分後に開始です。合図が聞こえ次第、お好きな場所にお逃げ下さい」

「はい」

「それでは、これで…」



チェルベッロが去った後、一人・高層ビルのど真ん中に佇(たたず)む私。

自分の事より何より心配だったのは、胸にターゲットマーカーをつけられた入江さんの事だった。



(無理をされていなければ良いのですが…)



頭を過ぎるのはそんな事ばかり。――かと言って、自分自身の事も全く不安でない訳ではない。

でも、皆さんの事を信じると決めたから―…。だから不安を感じている場合ではないの。私は、私に出来る事をやるだけ。



(何がなんでも、絶対に逃げ切ってみせる!!)



――私を捕まえるのは、





『3分経ちました。それでは……チョイスバトル・スタート!!』





“ボンゴレファミリー”なのだから―…!!



バトル・スタート


(私は……そう信じる)


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