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105.6つの花 **


困惑する沢田さんに「こうするんだ」と、手本を見せる白蘭。それを見た沢田さんは白蘭の傍に歩み寄ると、同じようにルーレットに手を添え、



「こ、こう?」

「“チョイス”のかけ声で歯車を右に回すよ」

「え!?ちょっと待――」

「チョイス♪」



沢田さんの制止も聞かないまま、白蘭は一方的にチョイスの言葉を口にした。途端にガラガラガラと軽快な音を立てながらルーレットが回り出す。

それから暫く回り続けた後、ルーレットは徐々に回転速度を弱めて行き、



「…ん?止まるね」



白蘭の言葉通り、完全に動きを止めた。そして彼は笑顔で宣言したのだ。


――“チョイスバトル参加者が決まった”…と。


私は瞬時に、上空へ映し出された表へと目を向ける。ボンゴレの表には、大空1、嵐1、雨1。そして属性とは関係のない四角のマークの横に2の文字が刻まれてあった。

対するミルフィオーレは、晴1、霧2、雲1と言う、ボンゴレとは全く異なる数字が並んでいて。



「そ、そうかっ、数字は各属性の参加人数!!」

「流石いい感してるね、正チャン。――そう。ジャイロルーレットでチョイスされたのは、実際に“フィールド内で戦う各属性の戦士の数”だよ」



表を見上げながら、山本さんと沢田さんが呟く。



「属性によって、人数違うのかよ!!」

「ボンゴレとミルフィオーレで合計も違う!」

「これがチョイスの醍醐味だよ♪ボンゴレは大空に嵐に雨が各1名。良い引きしてるじゃないか」



ここで獄寺さんが叫んだ。



「おい待て!!だったら一番下の四角は何だっ」



確かに彼の言う通り、あんな属性は存在しない。そこで私はハッとする。



(存在…しない?つまり無。――まさか…っっ)

「ふふ。名前チャンは気付いたみたいだね。――そう。あれは無属性。つまり“リングを持たぬ者”を示してるんだ」



そうか。だから白蘭は全員を連れて来いと言ったんだ。でも表に示されている無属性の数は2。つまりリングを持たない仲間から2名を選ばなければならないという事で。



「皆さんを戦いに参加させる何て、そんな…っ」



瞬時に白蘭へ抗議しようとした私。だが、そんな私の前に突然、真6弔花の一人が姿を現し、思わず小さな悲鳴を上げる。


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