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105.6つの花


チョイスの為に作られたと言うバトルフィールドで、今、正に、ボンゴレとミルフィオーレの戦いが始まろうとしていた。

ピリピリと肌を突き刺すような緊迫した空気が辺りに漂う。しかし気負っているのはボンゴレだけで、対するミルフィオーレは涼しい表情のまま。

証拠に、白蘭の隣に寄り添っていた水色の髪の少女が「ププッ」と可笑しそうに笑い出した。



「な〜んだ。ちびっ子ばっかりじゃない。こんなの、ぜーんぶブルーベル一人で片付けられちゃうもんねっ」



そう言って少女が左手を振り上げた瞬間、彼女の腕に、青い雨の炎が集まり、何と、少女の腕が刃に変化してしたのだ。

しかし驚くのはそれだけではなかった。刃となったその腕に、今度は何かが巻き付いて、まるで少女を抑制するかのように締め上げたのだ。少女を止めたのは彼女の隣に立っていた翠の髪の男性。



「ハハン。慌てないで、ブルーベル。これは白蘭様が楽しみにしておられたお祭りなのですよ?ゆっくり楽しみましょう」



穏やかな笑みを浮かべる男性だが、彼も又、ただ者では事を物語っている。それは先程少女に巻き付いた何か。あれは恐らくこの男性の腕だ。少女にしろ、男性にしろ、まるで人間とは思えない。



「………」



誰もが警戒を強める中、雲雀さんだけが愛用のトンファーを構え、リングに炎を点す。それを見た翠の髪の男性は興味深そうに雲雀さんを眺めた。



「どうやら私と同じ雲属性の守護者は、学生服の君のようですね。私は桔梗。お見知り置きを」

「…御託(ごたく)はいい。直ぐに始めようよ」

「だ〜から、駄目なんだって、ひっば〜りチャン♪これは“チョイス”なんだ。先ずは“次のチョイス”を始めなきゃ」



そう言って白蘭が取り出したのは、先端部に大空の炎が点った、円柱型のルーレットのような物。

名をジャイロルーレットと言い、これで次なるチョイスを行うのだそうだ。白蘭は数歩、前に歩み出ると、ルーレットを胸の前に翳(かざ)し、



「――みんなが見易いように、映し出そうね」



その瞬間、ジャイロルーレットから表のような映像が飛び出して来る。記されていたのは記号の羅列。良く見ると、それは、各ファミリーの紋章や属性が描かれてあった。



「リングの手を歯車の側面に添えて、綱吉クン」

「え?」


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