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104.絆を信じて **


意味深な言葉を白蘭が発した次の瞬間。突如、転送装置がこれまで以上に輝き始め、並盛神社を激しく照らし出したのだ。

余りの眩しさに目を開けている事が出来ない。私は咄嗟に瞳を閉じようとして。でも、その後に起こった信じられない現象に、驚愕の声を上げる。



「――な、何!!??」



何と、私の身体がフワリと宙に浮き始めたのだ。他の仲間達は何ともないのに、私だけが突然…。



「「名前さん!/歌姫!!」」



傍らに立つ入江さんとスパナさんが必死に手を伸ばすけれど、私は既に、二人の手が届かない所まで浮き上がっている。



「――い、入江さん!スパナさん!!」



それでも懸命に腕を伸ばす二人に私も必死に手を伸ばそうとしたが、私達の行動が報われる事はなく、突如作動した転送装置によって、私は何処かに飛ばされたのだった。




◇ ◇ ◇


「――ここ、は…」



目を開けると、辺りには真っ白な煙が立ち込めていた。此処がチョイスが行われるバトルフィールド?でもそれなら他の皆は?一体どこにいるの?

不安で押しつぶされそうになっていた時、直ぐ間近で『ドスン』と何かが落下する音が聞こえ、



「み、みんな大丈夫!?」

「ええ」

「こっちも大丈夫です」



直後、沢田さん・ビアンキさん・バジルさんの声が耳に届いた。私はホッと安堵の息を零す。良かった。どうやら全員無事に到着したみたいだ。

でも何故、私だけ先に転送させたのだろうか。一体どんな意味があってそんな事を?私の中に芽生えた僅(わず)かな疑問。しかし、それはこの後直ぐに解決する事になる。



「――やあ。ようこそ、チョイス会場へ…」



私でも感じ取れる、背筋が凍るような凄まじい気配。声の主が誰か何て、確かめなくても直ぐに分かった。機械越しではない、生の声を聞くのは実に半年振り。出来る事なら、二度と会いたくないと願った、私達の宿敵。


ミルフィオーレファミリーのボス――“白蘭”


咄嗟に声のする方角を振り返ると、辺りに立ち込めていた煙が晴れ始め、そして、視界に飛び込んで来たのは、四方を取り囲む、超高層ビルの群。

何と私達は転送装置によって、そのど真ん中に投げ出されていたのだ。



「何度も会っているような気がするけど、僕に会うのは初めてかい?」


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あきゅろす。
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